ACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害薬 特徴

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高血圧

高血圧の治療薬 まとめ↓

作用機序・特徴

レニン・アンジオテンシン系は血圧をコントロールするシステム。

ACE阻害薬はアンジオテンシンⅠからアンジオテンシンⅡへの変換を阻害することで最終的に血圧を低下させる。

アンジオテンシンⅡの受容体にはAT1とAT2があるがほとんどがAT1に結合して以下の作用を示す。

・細胞質内にCa2+を流入させることにより血管を収縮させ血圧を上昇させる。
・副腎皮質球状層のアルドステロン合成を促進し、分泌させる。
・視床下部に作用して口渇感とバソプレシン(脳下垂体後葉)の放出を促す。
・近位尿細管でNa+の再吸収を促進させる。
・レニン分泌を抑制する。

 

薬剤別 種類

ACE阻害薬はARBの登場により影は薄くなったが、現在でもよく使われている薬をピックアップ。

レニベース(エナラプリル)

本態性高血圧症、腎性高血圧症、腎血管性高血圧症、悪性高血圧

成人

通常、成人に対しエナラプリルマレイン酸塩として5〜10mgを1日1回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。但し、腎性・腎血管性高血圧症又は悪性高血圧の患者では2.5mgから投与を開始することが望ましい。

小児

通常、生後1ヵ月以上の小児には、エナラプリルマレイン酸塩として0.08mg/kgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

慢性心不全(軽症〜中等症)ジギタリス製剤、利尿剤等の基礎治療剤を投与しても十分な効果が認められない場合)

本剤はジギタリス製剤、利尿剤等と併用すること。通常、成人に対しエナラプリルマレイン酸塩として5〜10mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。但し、腎障害を伴う患者又は利尿剤投与中の患者では2.5mg(初回量)から投与を開始することが望ましい。

重篤な腎機能障害のある患者〔本剤の活性代謝物の血中濃度が上昇し、過度の血圧低下、腎機能の悪化が起きるおそれがあるので、クレアチニンクリアランスが30mL/分以下、又は血清クレアチニンが3mg/dL以上の場合には、投与量を減らすか、もしくは投与間隔をのばすなど慎重に投与すること。〕

小児等に投与する場合には、1日10mgを超えないこと。

特徴

慢性心不全に適応があるのが一番の特徴。小児の高血圧にも使え、授乳中にも服用可能。

タナトリル(イミダプリル)

高血圧症、腎実質性高血圧症

通常、成人にはイミダプリル塩酸塩として5〜10mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、重症高血圧症、腎障害を伴う高血圧症又は腎実質性高血圧症の患者では2.5mgから投与を開始することが望ましい。

1型糖尿病に伴う糖尿病性腎症

通常、成人にはイミダプリル塩酸塩として5mgを1日1回経口投与する。ただし、重篤な腎障害を伴う患者では2.5mgから投与を開始することが望ましい。

クレアチニンクリアランスが30mL/分以下、又は血清クレアチニンが3mg/dL以上の重篤な腎機能障害のある患者では、投与量を半量にするか、若しくは投与間隔をのばすなど慎重に投与すること。〔排泄の遅延による過度の血圧低下及び腎機能を悪化させるおそれがある。〕

特徴

1型糖尿病に伴う糖尿病性腎症に適応がある。空咳の副作用の頻度が他より少ない。

 

コバシル(ペリンドプリル)

高血圧症

通常、成人にはペリンドプリルエルブミンとして2〜4mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日最大量は8mgまでとする。

重篤な腎機能障害のある患者では、本剤の活性代謝物の血中濃度が上昇し、過度の血圧低下、腎機能の悪化が起こるおそれがあるので、クレアチニンクリアランスが30mL/分以下又は血清クレアチニンが3mg/dL以上の場合には、投与量を減らすか、若しくは投与間隔をのばすなど、経過を十分に観察しながら慎重に投与すること。

特徴

T/P比がほぼ100%。長時間に渡り安定した効果が得られる。

えふえむ
えふえむ

Tはトラフ(効果が最小)、Pはピーク(効果が最大)の意味でこれが100%ということは、薬の効果が切れるまでは効果が一定ということ。

 

併用注意な薬剤

高カリウム血症のリスク

ACE阻害薬はその作用機序から血中のK⁺が上昇する傾向にある。そのことから

  • K保持性利尿薬(スピロノラクトン、トリアムテレン、セララ)
  • カリウム補給剤

はK⁺の上昇を促してしまうため注意が必要。

またACE阻害薬はレニンーアンジオテンシン系に関わるので、その系をターゲットにする

  • ARB
  • 直接的レニン阻害薬(ラジレス)

も作用が増強してしまうため注意が必要。

えふえむ
えふえむ

ラジレス(アリスキレン)は併用禁忌やで!

ただ、他の降圧剤での血圧のコントロールが不良な場合は併用することはあるで~。

こむこむ
こむこむ

その時は高カリウム、低血圧の発現にかなり注意が必要やね!

リチウム中毒のリスク

ARBはその作用機序からNa⁺イオンが排泄促進される。もともとNa⁺イオンは再吸収される際にLi⁺イオンと競合を起こしている。つまりARBによってNa⁺イオンの再吸収が阻害されることで、その競合相手がいなくなったLi⁺イオンは血中への再吸収を促されるという流れ。

なのでリーマス(炭酸リチウム)の併用には注意が必要。

 

禁忌

・血管浮腫の既往歴のある患者

・デキストラン硫酸固定化セルロース、トリプトファン固定化ポリビニルアルコール又はポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシスを施行中の患者

・アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜(AN69)を用いた血液透析施行中の患者

・妊婦又は妊娠している可能性のある婦人

・アリスキレンフマル酸塩を投与中の糖尿病患者(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)

えふえむ
えふえむ

透析が禁忌なのは有名やね。

空咳について

ACEはブラジキニンを不活性型にする酵素であるキニナーゼⅡと同一。

ACEを阻害することはキニナーゼⅡを阻害すること一緒で、 ブラジキニンが分解されずに、ブラジキニンによる作用が増強する。

ブラジキニンは空咳を促す。

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