抗不整脈薬 Ⅰ群(Naチャネル遮断薬) 特徴

循環器系

↓不整脈のまとめ

心室筋細胞の活動電位

不整脈は心筋細胞の異常な興奮によって起こる。

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心臓の鼓動に関わるイオンはNaやKであり、Ⅰ群はNaチャネルを阻害することで、心筋細胞へのNaイオンの流入(0相)を阻害し、心房筋、心室筋の異常な興奮を抑制する。 

えふえむ
えふえむ

さらにⅠ群の中でも特徴の違いから3つに分かれるで!

Ⅰa群

作用機序…Na-ch抑制、K-ch抑制
特徴…活動電位持続、時間延長、不応期延長

上室性、心室性不整脈に有効

硫酸キニジン(キニジン)、ギルリトマール(アジマリン)

ほとんど使われないので割愛

 

アミサリン(プロカインアミド)

経口薬はもうほとんど使われない。病院では注射が使われるのかな。

特徴

Ⅰa群の中では抗コリン作用がない

 

リスモダン(ジソピラミド)

通常、成人1回ジソピラミドとして100mgを1日3回経口服用する。症状により適宜増減する。

効能

期外収縮、発作性上室性頻脈、心房細動

禁併用忌

スパルフロキサシン、モキシフロキサシン、トレミフェンクエン、バルデナフィル、アミオダロン(注射剤)、エリグルスタット、フィンゴリモド

特徴

腎排泄型。抗コリン作用があるので、口渇、尿閉に注意。低血糖も起こることもあるQT延長を起こす可能性あり

 

シベノール(シベンゾリン)

通常、成人はシベンゾリンコハク酸塩として、1日300mgより服用をはじめ、効果が不十分な場合は450mgまで増量し、1日3回に分けて経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

効能

頻脈性不整脈

併用禁忌

バルデナフィル、モキシフロキサシン、トレミフェンクエン、フィンゴリモド、エリグルスタット

特徴

腎排泄型。抗コリン作用あり。低血糖、頭痛やめまいに注意

 

ピメノール(ピルメノール)

通常、成人にはピルメノール(遊離塩基)として1回100mgを1日2回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

効能

頻脈性不整脈(心室性)

併用禁忌

バルデナフィル、モキシフロキサシン、アミオダロン(注射剤)、トレミフェンクエン

特徴

腎排泄型。抗コリン作用あり

 

Ⅰb群

作用機序…Na-ch抑制、K-ch開放
特徴…活動電位持続、時間短縮、不応期短縮

心房筋への作用は弱いため、心室性不整脈に用いる。

 

メキシチール(メキシレチン)

頻脈性不整脈(心室性)

通常、成人はメキシレチン塩酸塩として、1日300mgより服用をはじめ、効果が不十分な場合は450mgまで増量し、1日3回に分割し食後に経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

糖尿病性神経障害に伴う自覚症状(自発痛、しびれ感)の改善

通常、成人はメキシレチン塩酸塩として、1日300mgを1日3回に分割し食後に経口服用する。

効能

頻脈性不整脈(心室性) 、 糖尿病性神経障害に伴う自覚症状(自発痛、しびれ感)の改善

併用禁忌

禁忌となる薬剤はないが、他の抗不整脈薬との併用はQT延長や心室性不整脈を起こす危険性はあり

特徴

肝代謝型。糖尿病性神経障害のしびれ感などの改善に適応があるが投与には重篤な心疾患患者には注意

食道に停滞すると潰瘍を起こすことがあるので多めの水で服用してもらう

 

キシロカイン(リドカイン)

局所麻酔薬でもあり、抗不整脈薬でもある。ほとんどが麻酔なので割愛。

 

アスペノン(アプリンジン)

通常,成人にはアプリンジン塩酸塩として、1日40mgより投与をはじめ、効果が不十分な場合は60mgまで増量し、1日2〜3回に分けて経口投与する。

効能

頻脈性不整脈

併用禁忌

禁忌となる薬剤はないが、他の抗不整脈薬との併用はQT延長や心室性不整脈を起こす危険性はあり。

特徴

肝代謝型。吐き気や食欲不振などの消化器症状が主な副作用。他に手の震え、めまいなどの精神神経症状なども見られる場合がある。

  

Ⅰc群

作用機序…Na-ch抑制のみ
特徴…活動電位持続、時間不変、不応期不変

Ⅰa群より心房細動の治療に有効だがQRS増大の可能性あり。虚血性心疾患への使用は薦められない。

また、Naチャネルとの解離が遅いため、新たな不整脈を起こすこともある

 

プロノン(プロパフェノン)

通常、成人はプロパフェノン塩酸塩として1回150mgを1日3回経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

効能

頻脈性不整脈

併用禁忌

リトナビル、ミラベグロン、テラプレビル、アスナプレビル

特徴

肝代謝型。少量ではⅠa群のような作用がある。筋肉痛や肝障害に注意。

 

タンボコール(フレカイニド)

成人

頻脈性不整脈(発作性心房細動・粗動)

通常、成人にはフレカイニド酢酸塩として1日100mgから投与を開始し、効果が不十分な場合は200mgまで増量し、1日2回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜減量する。

頻脈性不整脈(心室性)

通常、成人にはフレカイニド酢酸塩として1日100mgから投与を開始し、効果が不十分な場合は200mgまで増量し、1日2回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

小児

頻脈性不整脈(発作性心房細動・粗動、発作性上室性、心室性)

通常、6ヵ月以上の乳児、幼児及び小児にはフレカイニド酢酸塩として1日50〜100mg/m2(体表面積)を、1日2〜3回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、1日最高用量は200mg/m2とする。

通常、6ヵ月未満の乳児にはフレカイニド酢酸塩として1日50mg/m2(体表面積)を、1日2〜3回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、1日最高用量は200mg/m2とする。

効能

成人: 頻脈性不整脈(発作性心房細動・粗動)頻脈性不整脈(心室性)

小児: 頻脈性不整脈(発作性心房細動・粗動、発作性上室性、心室性)

併用禁忌

リトナビル、ミラベグロン、テラプレビル

特徴

腎排泄型小児も使える。吐き気やめまい、頭痛に注意。

 

サンリズム(ピルシカイニド)

通常、成人にはピルシカイニド塩酸塩水和物として、1日150mgを3回に分けて経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、重症又は効果不十分な場合には、1日225mgまで増量できる。

透析を必要とする腎不全患者は25mgから。

効能

頻脈性不整脈

併用禁忌

特になし

特徴

腎排泄型。副作用に消化器症状や神経症状などあるが、共に少ない。

最後に

えふえむ
えふえむ

Ⅰaは上室、

Ⅰbは心室、

Ⅰcは効果はいいが副作用も出やすいというイメージかな


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