α2刺激点眼薬は1種類のみです。
流し聴きしたい方はこちら↓
成分種類
アイファガン(ブリモニジン)の基本情報 | |
---|---|
【成分名】 | ブリモニジン |
【構造式】 | |
【製品名】 |
先発品
アイファガン点眼液0.1% 後発品 ブリモニジン酒石酸塩点眼液0.1%「各メーカー」 |
【配合剤】 |
先発品
アイベータ配合点眼液(+チモロール) アイラミド配合懸濁性点眼液(+ブリンゾラミド) 後発品 なし |
【分類】 |
アドレナリンα2受容体刺激薬、緑内障・高眼圧症治療剤
|
【効能】 | 緑内障、高眼圧症 |
【用法用量】 | 1回1滴、1日2回点眼 |
【妊婦】 | 有益性投与 |
【授乳】 | ヒトでのデータなし |
【禁忌】 | 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者 低出生体重児、新生児、乳児又は 2 歳未満の幼児 |
【先発品 日本での販売年】 |
2012年 |
【市販薬】 | なし |
日本で発売されているα2刺激点眼薬の成分はブリモニジンしかありません。他の緑内障治療薬と併用で用いることが多いです。またアイファガンに保存剤として用いられている亜塩素酸ナトリウムは眼表面で生体成分に分解されることから高い安全性があると言われています。
低出生体重児、新生児、乳児又は 2 歳未満の幼児には禁忌となっています。これは無呼吸、徐脈、昏睡、低血圧等が起こることがあるためです。新生児に処方されることはそうないと思うけど、新生児がいる家庭では保管時に注意したほうがよいですね。
作用機序
α2受容体刺激によって
- 眼房水産生抑制
- ぶどう膜強膜路からの排出促進
この2つの作用で眼圧を下げていきます。
ちなみに毛様体に存在するα1受容体とβ2受容体への刺激は
α1受容体…毛様体血管の収縮➡️眼房水排泄低下(眼圧上昇)
α2受容体…細胞内cAMP減少➡️眼房水産生低下(眼圧下降)
β1受容体…毛様体血管の拡張➡️眼房水産生促進(眼圧上昇)
β2受容体…β1の作用に加え、毛様体筋弛緩➡️眼房水排泄低下(眼圧上昇)
の役割がある。
α2受容体を刺激することで、眼圧は下降させる方向に働きます。
用法
緑内障の治療は長期に渡るので、点眼回数は少ないほうがいいですね。
副作用
全身の副作用としては眠気、めまい、徐脈、低血圧など起こることがあるが頻度としては少なく、眼局所の副作用が多いです。
•アレルギー性結膜炎
•眼瞼(がんけん:まぶたのこと)の炎症
緑内障の治療は長期ですから、目の違和感や使用感が好ましくない場合は遠慮なく主治医や薬剤師に相談するようにしましょう。
禁忌
低出生体重児、新生児、乳児又は 2 歳未満の幼児には禁忌となっています。
これは低血圧、低体温、筋緊張低下、嗜眠、蒼白、呼吸抑制及び傾眠があらわれたとの報告が
あることから設定されています。
新生児に処方されることはないですが、アイファガン点眼液を使用している家族がいる場合は保管時は子供の手の届かない場所に保管するようにしましょう。
緑内障治療におけるのα2受容体刺激点眼薬の位置づけ
ブリモニジンはプロスタグランジン(PG)系点眼剤やβ遮断薬のチモロールよりも眼圧降下作用が少し弱いです。用法も1日1回で済むPG系点眼薬のほうが軍配が上がることから、第二選択薬としての立ち位置です。
添付文書にも他剤での効果が不十分な場合に切り替えもしくは併用する形で使用することと記載があるので、補助的なポジションですね。他の点眼薬と作用が被らないので併用しやすいですね。
神経保護作用があるとの報告も
ブリモニジンは神経保護作用があるとの報告もあります。
網膜神経節細胞にアドレナリンα2 受容体が発現しており、α2受容体の刺激が視神経細胞死抑制効果を示唆しているとのことです。
服薬指導
さぁ薬の事はわかりました。次はどう患者さんに指導していきましょう。
基本的な確認
- 点眼薬は上手に点すことができるか
- 病識を理解しているか
- 不安などはあるか
- 重篤な腎障害を抱えていないか
このあたりは確認しておきましょう。
1~3はアドヒアランスの維持に関係があります。緑内障の治療は医師や薬剤師が思ったよりもアドヒアランスが悪く、初回緑内障点眼薬処方患者は治療開始約 1 年でその40%が治療から脱落すると報告されています。
4は禁忌になりますので必ず確認します。
医師から指導は受けると思いますが、病識理解のためにも、薬剤師も指導の際には点眼薬の使い方と同時に緑内障がどんな病気なのかをしっかり説明していきたいですね。
眼圧が上昇することで視神経が徐々に損傷していき、視力がかなり落ちてしまいます。自覚症状がないので、アドヒアランス低下に繋がる要因でもあります。
副作用の説明
副作用の欄にもありました①目の違和感や霧視、②しびれ、このあたりは伝えておきます。②は頻度こそ少ないですが、起こることがあるということは伝えておいたほうがいいかもしれません。
眼の沁みや痛みなどが気になる場合は医師に薬剤変更提案することを考えます。
点し方の説明
用法は1日2回です。
また、手が震える、容器が持ちにくいなどあれば、げんこつ法など勧めましょう。
保存条件
アイファガン点眼液は室温保存です。開封後は1か月以内に使い切るようにしましょう。
コメント