↓糖尿病薬 まとめ
作用機序
- 核内受容体のPPARγに作用し、脂肪細胞の分化を促進、肥大化した脂肪細胞を正常の小型脂肪細胞に置き換える。これにより筋肉・肝臓・脂肪での糖取り込みを促進、肝臓で糖新生を抑制し血糖値を低下させる。
- TNF-α、IL-6等の悪玉アディポサイトカインが低下し、抗動脈硬化作用を持つアディポネクチンの血中濃度が上昇。
- マクロファージに対する抗炎症作用や血管内皮機能改善なども報告されている。
- 尿細管でNaと水の再吸収を促進させる。
適応、用法用量
2型糖尿病
ただし、下記のいずれかの治療で十分な効果が得られずインスリン抵抗性が推定される場合に限る。
【効能A】
食事療法、運動療法のみ
食事療法、運動療法に加えてスルホニルウレア剤を使用
食事療法、運動療法に加えてα-グルコシダーゼ阻害剤を使用
食事療法、運動療法に加えてビグアナイド系薬剤を使用
- 通常、成人はピオグリタゾンとして15~30mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口服用する。なお、性別、年齢、症状により適宜増減するが、45mgを上限とする。
【効能B】
食事療法、運動療法に加えてインスリン製剤を使用
- 通常、成人はピオグリタゾンとして15mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口服用する。なお、性別、年齢、症状により適宜増減するが、30mgを上限とする。
服薬指導時
尿細管でNaと水の再吸収を促進し(腎臓にもPPARγが発現しているため)、体液貯留傾向を示すため、心不全・浮腫の出現に注意が必要。
15mg/日より開始し、増量時は特に気をつける。女性の浮腫は7.5mg/日に減量も可、
浮腫症例は減塩を強化し、かつ少量の利尿薬も考慮する。
以上を踏まえて投薬は少量から開始するのがポイント。
またアクトスの血糖降下作用は、中止後もしばらく持続するので、薬剤変更や切り替え後の思わぬ低血糖にも注意が必要。
その他特徴
- 体重増加作用がある。体重が増加すると血糖のコントロールが上手くいかなくので、しっかりとした体重管理が必要。
- 投与期間が長くなるほど膀胱癌のリスクがある。膀胱癌の治療中の患者には使わない。
飲み忘れた場合
昼までに飲み忘れに気づいた場合は、気づいたときに飲む。それ以降は、次の日に服用する。
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