【緑内障治療】炭酸脱水酵素阻害点眼薬 使い分けなど

眼科系

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成分種類

炭酸脱水酵素阻害点眼薬
先発名 トルソプト点眼液0.5%,1% エイゾプト懸濁性点眼液1%
後発名 なし ブリンゾラミド懸濁性点眼液1%「各メーカー」
配合剤 コソプト配合点眼液(+チモロール)
コソプトミニ配合点眼液(+チモロール)
アイラミド配合懸濁性点眼液(+ブリモニジン)
先発品
日本での販売年
1999年
2002年
特徴
世界で初の点眼用の炭酸脱水素酵素薬
構造式の工夫で1日2回を実現とした

炭酸脱水酵素阻害薬(点眼薬)の歴史

  • 1999年
    トルソプト点眼液 販売

    世界初の点眼用の炭酸脱水酵素阻害薬。1日3回。

  • 2002年
    エイゾプト懸濁性点眼液 販売

    構造式工夫により1日2回を実現した。

作用機序

毛様体細胞側の炭酸脱水酵素を阻害することにより、重炭酸イオン(⁻HCO₃)の濃度が下がります。すると重炭酸イオン(⁻HCO₃)と連動しているNa⁺イオンの後眼房側への輸送が減り、眼房水の産生を減少させます

ふみやさん
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厳密に言うと炭酸脱水酵素II型を選択的に阻害します。炭酸脱水酵素の型には7種類ありますがⅡ型とⅣ型が眼房水産生に関与します。瞳孔径・調節に影響を与えません。

 

用法

トルソプト点眼液:1日3回
エイゾプト懸濁性点眼液:1日2回

トルソプト点眼液は1日3回ですが、エイゾプト懸濁性点眼液は構造式工夫により1日2回を実現しています。

こむこむ
こむこむ

緑内障の治療は長期に渡るから、なるべく点す回数が少ないほうがいいよねぇ。

副作用

どちらも点眼後、全身的に移行することで副作用が起こる場合があります。

全身の副作用として四肢の痺れなどが特徴的です。が、一部全身に移行したものは赤血球のⅡ型炭酸脱水酵素と結合するため全身の副作用はほとんど無く、副作用は眼局所に多いです

局所の副作用

トルソプトは液性が酸性の為、眼が沁みるなどの刺激感が多い

エイゾプトは懸濁液のため霧がかかったように見えたり、異物感がある

禁忌

ドルゾラミド、ブリンゾラミドはいずれも腎臓から排泄されます。なので重篤な腎障害を抱えている方は薬の排泄が遅れてしまい、副作用のリスクが高まることから、禁忌となっています。

以前こんなtweetをしました。

緑内障治療における炭酸脱水酵素阻害点眼薬の位置づけ

炭酸脱水酵素阻害薬はプロスタグランジン(PG)系点眼剤よりも眼圧降下作用が少し弱いです。用法も1日1回で済むPG系点眼薬のほうが軍配が上がることから、第二選択薬としての立ち位置です。

ふみやさん
ふみやさん

添付文書にも他剤での効果が不十分な場合に切り替えもしくは併用する形で使用することと記載があるので、補助的なポジションですね。

薬剤別早見表

成分名用法禁忌配合剤特徴
ドルゾラミド3回/日重篤な腎障害あり世界初の点眼用炭酸脱水酵素阻害薬。
眼の沁みなどが多い。
ブリンゾラミド2回/日重篤な腎障害ありドルゾラミドより用法が改善された。
目の沁みもブリンゾラミドよりは少ない。
ふみやさん
ふみやさん

エイゾプト懸濁性点眼液はトルソプト点眼液より目の沁みや用法など改善されています。ただ懸濁していますので点眼したときに目の前が真っ白にかすむこともあります。

こむこむ
こむこむ

用法や目の沁み的にはエイゾプト懸濁性点眼液のほうが使いやすいかなぁ。でも霧視(目が曇る)があるからそれを許容できれば…って感じかな。

 


ふみやさん
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こむこむ
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