どうも、ふみやさんです。
今回はカバサール(カベルゴリン)錠について。
というのも妻が薬局で薬剤師として働いていまして、産婦人科からの処方の用法間違いを疑義照会して変更になったというのを鼻高々に話していたので、まとめようと思った次第。
カバサール(カベルゴリン)錠とは
カベルゴリンの作用機序は以下の通り
本剤は持続的なドパミンD2受容体刺激作用を有し、中枢神経系に対しては黒質線条体のドパミンD2受容体に作用して抗パーキンソン作用を示す。また、内分泌系に対しては下垂体前葉のドパミンD2受容体に作用してプロラクチン分泌を特異的に抑制し、抗プロラクチン作用を示す。
カバサール錠0.25mg添付文書より
カバサール錠はもともとパーキンソン病の薬として発売されていたが、後から高プロラクチン血症関連疾患の適応も取得している。
ドパミンD2受容体刺激といえば、ドパミンが不足するパーキンソン病に用いるのは想像つくと思うが、ドパミンD2受容体はプロラクチンの分泌も関わり、産婦人科の領域にも関わってくるので、突然の処方に驚かないように構えておきたい。
脳下垂体から分泌されるプロラクチンにはいくつかの作用がある。
- 出産後に母乳の合成を促進させる。
- 出産後に子宮収縮を促し、出産後の母体の回復を早めてくれる。
- 出産後に排卵を抑制させることで母体の回復を早めてくれる。
他にも母性行動誘導、赤ちゃん以外の存在に対する敵対的行動の誘発、(夫に対しても)攻撃性を強める。免疫応答、浸透圧調節、血管新生などに関わる。
適応によって用法用量が違う
適応症の違いによって、用法用量がまったく異なるので注意。逆にいうと、どの適応かがすぐに分かりやすい。以下、引用。
〈パーキンソン病〉通常、成人にはカベルゴリンとして1日量0.25mgから始め、2週目には1日量を0.5mgとし、以後経過を観察しながら、1週間毎に1日量として0.5mgずつ増量し、維持量を定めるが、最高用量は1日3mgとする。いずれの投与量の場合も1日1回朝食後経口投与する。
〈乳汁漏出症、高プロラクチン血性排卵障害、高プロラクチン血性下垂体腺腫(外科的処置を必要としない場合に限る)〉通常、成人には1週1回(同一曜日)就寝前経口投与とし、カベルゴリンとして1回量0.25mgから始め、以後臨床症状を観察しながら、少なくとも2週間以上の間隔で1回量を0.25mgずつ増量し、維持量(標準1回量0.25~0.75mg)を定める。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1回量の上限は1.0mgとする。
〈産褥性乳汁分泌抑制〉通常、成人にはカベルゴリンとして1.0mgを胎児娩出後に1回のみ食後に経口投与する。
カバサール錠0.25mg添付文書より
パーキンソン病に関しては毎日なのに対し、婦人科領域は1週間に1回や1回限りの服用と特殊。
産婦人科からカバサール錠処方の毎日服用で舞い込んできたら、絶対に疑義照会しよう。
プロラクチン絡みの適応の用法は なぜ寝る前?
プロラクチンの分泌は夜寝ているときが一番高くなる。よってプロラクチンが過剰になっているプロラクチン絡みの適応の用法は薬の効果が最大限に発揮できるよう就寝前に、ということだ。
またドパミン受容体を刺激することで、血圧をさげてしまうことがある。それにより、ふらつきなど起こることもあるので、それを防ぐために就寝前、つまり安静にするという意味合いでは合理的な用法となる。
週1回…飲み忘れた…どうしたら?
例えば月曜日の寝る前に服用すると決めていて、うっかりしていて忘れた場合。
対処としては次の日の寝る前に服用する。その日も忘れたら次の日に…。
注意が必要なのは次の飲む日は前の飲んだ日と同じ曜日に服用すること。
参考文献
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