どうも、ふみやさんです。
インスリン製剤もたくさんありますよね。覚えるのに一苦労です。
というわけで、いつもの。覚えられないので早見表作りましたとさ。
早見表【Excel,PDF】
【Excel】
【PDF】
作用機序
インスリンは人体に存在しているホルモンで膵臓から分泌されます。
- 糖分(グルコース)を食事から摂取する→血液中に移行したグルコースが膵ランゲルハンス島β細胞のGLUT2という入り口から取り込まれる。
- インスリン分泌。
- インスリンが筋、脂肪細胞の受容体に結合すると細胞膜上にGLUT4という入り口が発現。
- 血液中に存在するグルコースがGLUT4から細胞へ取り込まれる。
- 血糖値が下がる。
という仕組み。
血糖値を上げるホルモンはいくつかあるが、血糖値を下げるホルモンはインスリンのみです。
血糖値を上げるホルモンはいっぱいあるけど、下げるのはインスリンだけ!
どういった人に使われる?
インスリン製剤は
- インスリン分泌が全くできない1型
- 飲み薬は飲んでいるが血糖コントロールが不良な2型
- 厳密な血糖管理が必要な糖尿病合併妊婦
- 昏睡などで緊急に血糖を下げる必要がある場合
に使われます。
割合的に多いのは赤字の人や
インスリン製剤の種類
作用発現時間と作用持続時間の違いによって分けられます。
インスリンアナログ
(超)超速効型
吸収までの時間が速効型より速い。10分以内に作用が発現。
食事開始2分前~食事開始20分以内
- フィアスプ注(インスリンアスパルト)
- ルムジェブ注(インスリンリスプロ)
超速効型
吸収までの時間がとても速い。10~20分くらいで作用が発現。
食直前に投与。食直後も可能。
- アピドラ注(インスリングルリジン)
- ヒューマログ注(インスリンリスプロ)
- ノボラピッド注(インスリンアスパルト) など
混合型
超速効型+中間型 または 速効型+中間型を様々な割合で配合されている。
メリットとして基礎分泌と追加分泌の両方が一度に代替でき、頻繁に注射しなくてよい点。デメリットとしては厳密な血統コントロールは難しい点。
食直前投与。
- ノボラピッド30,50,70ミックス注(二相性プロタミン結晶性インスリンアナログ水性懸濁)
- ヒューマログ25,50ミックス注(インスリンリスプロ混合製剤)
持効型溶解
基礎分泌を補う。以前は中間型で基礎分泌を補っていたが、持効型の登場で基礎インスリンの代替としてこちらのほうが軍配が上がる。持効型は中間型と違い、24時間にわたりインスリン濃度がほぼ一定というのがメリット。
一般的には朝に投与。
- トレシーバ注(インスリンデグルデク)
- ランタス注(インスリングラルギン)
- レベミル注(インスリンデテミル)など
配合溶解剤
超速効型のノボラピッドと持効型のトレシーバを一つにまとめたインスリン製剤。それぞれ単独で使用するより夜間の低血糖が起きにくいなどの特徴もある。
1日2回の投与でよい。
- ライゾデグ配合注(ノボラピッド+トレシーバ)
配合剤(インスリン+GLP-1受容体作動薬)
持効型のインスリンとGLP-1受容体作動薬の配合でインスリンの挙動は持効型の挙動を示す。
食事療法・運動療法に加え、糖尿病用薬による治療で効果不十分な場合に使用を検討することとなっている。
持効型のインスリンとGLP-1受容体作動薬の注射を併用している方は、こちらへ変更することでアドヒアランス向上など狙える。
- ゾルトファイ注(トレシーバ + ビクトーザ)
- ソリクア注(ランタス + リスキミア)
ヒトインスリン
速効型
吸収までの時間は超速効よりかは遅い。作用発現は30分ほど。
食前30分前に使用。
- ヒューマリンR注(ヒトインスリン)
- ノボリンR注(生合成中性ヒトインスリン)
混合型
超速効型+中間型 または 速効型+中間型を様々な割合で配合されている 。
食前30分前に使用 。
- ヒューマリン3/7注(ヒト二相性イソフェンイトインスリン)
- ノボリン30R注(ヒト二相性イソフェンイトインスリン)
中間型
効果発現まで1~3時間、最大作用時間は4~8時間、持続時間は24時間。
使用時に混和が必要となる白色の懸濁液。
- ヒューマリンN注(ヒトイソフェンインスリン水性懸濁)
- ノボリンN注(ヒトイソフェンインスリン水性懸濁)
多いわ…
投与方法
投与の種類として
- 皮下注射
- 筋肉注射
- 静脈内注射
がありますが、インスリン注射は皮下注射で行います。
注射部位
注射する部位によってインスリンの吸収速度は異なる。なので
- 吸収が早い
- 運動による影響を受けにくい
- 温度変化が少ない
などの理由から腹部が適している。
毎回、前に刺した所から2センチ離して注射をします。同じところに繰り返し注射すると皮下組織の萎縮、肥厚、硬結が生じ、インスリンの効果が減弱します。
注射器の種類
インスリンの注射器は大きく分けて3種類のタイプがある。
- インスリン製剤と注射器が一体となっているプレフィルドタイプ
- インスリン製剤を注射器にセットして使用するカートリッジタイプ
- インスリンin薬瓶のバイアルタイプ
調剤薬局でよくみられるのが赤字のプレフィルドタイプ。
こんなやつ↓
「ペン」とか「タッチ」とかの違いって?〜ノボラピッド〜
タッチはペンの改良版。以下、ペンからの改良点。
- 注入ボタンが伸びず、押しやすくなった。
- 注入ボタンが軽く、より小さい力で注入できるようになった。
- 注入単位設定時によりクリック感やクリック音を強くすることで、視力の弱い患者にとってより確実な単位設定をサポートする。
- 注入完了時に「カチッ」という音で注入完了を確認することができるようになった。
- 他のインスリンと併用する時の識別性向上のために、カートリッジホルダーが色づけされている。
イノレットって?
イノレットは握力や視力が低下した患者または高齢の患者にも使いやすくなってるタイプ。
こういうの↓
2024年9月ごろに販売終了となります。経過措置は2025年3月末まで。
インスリン療法
健常人は常に一定の濃度のインスリン(基礎インスリン)を分泌しており、食事で糖分を摂取すると追加でインスリン(追加インスリン)を分泌する。それが上手く分泌できていない人はインスリン製剤を用いて補う。それぞれ患者ごとの病態やライフスタイルに合わせて適した方法を選ぶ。
大きく分けていくつかのパターンがある。
1日1回 持効型溶解
適応例
- 経口血糖降下薬と併用する2型糖尿病(BOT)
- インスリン注射のコンプライアンスが悪い人や高齢者
朝食・夕食時混合型
適応例
- 1日の食生活が規則正しく行える2型糖尿病
毎食時 超速効型or速効型
適応例
- 食後高血糖が高くて、空腹時血糖が普通な2型糖尿病
- ステロイド糖尿病
朝食・夕食時 超速効型+1日1回 持効型溶解
適応例
- BOT( Basal supported Oral Therapy:経口薬を継続したまま基礎インスリンを補充する併用療法)や混合型で血糖コントロールができない2型糖尿病
- 昼に仕事などで注射が打てない場合
毎食時 超速効型+1日1回 持効型溶解
適応例
- 1型糖尿病
- インスリン基礎分泌の低下した2型糖尿病
- 厳密なコントロールが必要な場合(妊娠時、手術時)
予備知識
- 1単位=0.01mL
- 健常者で1日に分泌されるインスリン量は50-100単位。
- 使用前の注射は冷所保存だが、使用後は常温で。これは冷蔵庫に入れることで結露し、注射器が壊れてしまうため。
最後に
ざっくりとまとめてみました。
僕が学生の時、実務実習で病院に行かせてもらったときはよくインスリンの注射指導をやらせてもらっていたんですが、調剤薬局で服薬する時はすでに使い方を病院でほとんど聞かれているので、教える頻度が少ないっていう(笑)
常に復習しとかんと忘れそう…。
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