どうも、ふみやさんです。
今回、株式会社ファルモ様が提供している「EveryPick」を実際に触れさせて頂き、本当に便利なのか現場で働く薬剤師として検証してみたいと思います。
EveryPick って?
「EveryPick」はクラウド型のピッキング監査システムです。薬剤師は処方箋という医師からの薬のレシピを決して間違えなく、患者さんにお渡しするのが仕事です。
ただ薬剤師も人間です。十分に注意してても、間違える事だってあります。薬局が混みあってて急いでいる状況なら尚更です。
医薬品なので正しく渡せていなかった場合、命に関わることもあり、薬剤師は日々そんな不安を抱えています。そこで、その不安を解決するのが「ピッキング監査システム」です。
主な機能
①ピッキング監査システム
「EveryPick」は専用の機械を使わずにお手元のiPhoneやiPadにアプリをインストールすることで使用できます。
薬をピッキングする際に薬剤シートのGTINコードをカメラで読み取るだけで簡単監査することができます。単体でのスキャンはもちろんのこと、マルチスキャンで複数の薬剤を一度に読み取ることもできます。そして写真もその場で残せるのでエビデンスを残せます。
マルチスキャンはピッキングしてきた薬剤をものの数秒で照合できるので、忙しい時などホントに便利!写真も残せるから、もしクレームなど起こった際にも証拠として残せるから安心です。
薬剤師が複数人いる店舗だと、ピッキングと薬剤監査を別の人が行ってリスク分散すると思うけど、1人薬剤師の店舗だと全部自分で確認…そんな時、この監査システムがあればより安心できますね。
②棚卸機能
「EveryPick」はピッキングだけでなく実地棚卸も行うことができます。医薬品のバーコードを読み取り、数値を入力するだけでパソコン上で自動集計されます。
棚卸の時はレセコンで医薬品の在庫データを印刷して、目で見て、手で数えてチェックしてました。医薬品の数を多く抱えている店舗などはそれだけでその紙が数十枚となって、保管するのにもかさばってました…
「EveryPick」はiPhoneひとつで入力集計が完結されるので、便利ですよね!バーコードを通して集計を行うので、医薬品の取り間違えもないし、紙管理による紛失などの恐れもありません。
料金
料金は1店舗につき、8000円となります。それに1店舗に何台導入しても8000円と変わりはありません。導入するだけのiPhoneの数は必要なのはデメリットですが、何台導入しても料金が変わらないのはメリットと言えます。
複数店舗利用する場合は店舗数×8000円かかるので注意ですね。
薬剤師賠償責任保険の自動付帯
「EveryPick」を導入すると薬剤師賠償責任保険が自動的についてきます。月額8000円からの追加費用は一切なく、提供しているようですね。以下その概要です。
支払限度額(1事故につき) | 1億円 |
支払限度額(保険期間中/1年間) | 3億円 |
免責金額(1事故) | 0円 |
実際触ってみて
「EveryPick」は公式サイトのお問合せフォームから実際にお借りすることができます。
セット内容は
- デモ機:iPhone 1台
- 充電ケーブル
- 医薬品シート数種類(合っている用)
- 医薬品シート数種類(間違っている用)
借りるのは無料です!実際に触ってみないと感覚が掴めないと思うので、助かります。
届いたのは上記のもの。デモ機の中には、「EveryPick」のアプリが入っており、すぐに使用することができます。
まずはシングルスキャン。シングルスキャンは選択した患者の処方の薬剤を一つずつスキャンして照合する方法です。ピッキングする際に活用できますね。
早速、医薬品のバーコードをスキャンして感度見てみると…あ、あれ…うまく反応しない…
これは…と思いつつ、バーコードを見てみると、錠剤を取り出した後のところのバーコードがつぶれている。これは読めないはずです。
ちょうど自宅に未開封のシートがあったので、それで試してみると…うまくいきました!
デモ機でお借りしたものは空いている(バーコードがつぶれている)ものでしたけど、実際ピッキングする際はバーコードはしっかりしているので、大丈夫ですね。
次にマルチスキャンです。マルチスキャンはiPhoneのカメラに映った薬剤を一度にスキャンして認識するシステムです。これも早速、試してみると…バーコードがつぶれていないものはすんなり読み込めました!これも一応、自宅にあった医薬品で試してみると、問題なく読み込めました。
エビデンスも残せるということでカメラ機能もあり、なんと10枚まで写真を残すことができます。これはスキャンしながらでも取ることができますので、スキャン後➡写真撮影までスムーズにできます。
間違えた医薬品を読み込むと、ブザー音が鳴りますので、取り間違えていた場合すぐにわかります。
棚卸もできるようなので、これも簡単です。読み込んで、数を数えて、入力するだけ。めちゃくちゃ簡単です。
とまぁいい感じに書いていますが、ピッキング監査システムとは言えど、穴はあります。
監査システムによる医薬品の先発品と後発品の取り間違え、規格の違い、ジェネリックメーカーの違いなどの間違いはこの「EveryPick」で防ぐことができるのですが、数量間違いは防ぐことはできません。また10錠シートを半分に切ったりなどしてバーコードがすべて写ってないと、読み込むことができません。
薬局でのヒヤリハットの多くは薬剤の取り違えということを中心に考えているので、数量に対してはシステム対応していないようやね。
数量間違いは、間違えていたとしても命に危険を及ぼすことは少ないですが、規格間違いは一歩間違えれば、そうもいきません。なのでそこをカバーできるこのアプリはかなり安心できます。
ざっくりメリット、デメリット
触ってみて、自分なりに感じたことをざっくりまとめてみましたので、参考にしてみてください。
メリット | ・手持ちのiPhoneがあれば、アプリを入れるだけで導入 ・すべてのレセコンメーカー対応可 ・1店舗で何台分導入しても定額8000円/月 ・iPhoneだけなので、かさばらない ・マルチスキャンで一度に読み込めるので、監査の時間短縮ができる ・カメラでエビデンスを残せる ・棚卸がクラウド上で管理でき、紙管理しなくてもよい |
デメリット | ・規格間違いなどは防げるが、数量は確認できない ・バーコードは切れていたり、つぶれていたりすると読み込めない ・数台導入するには別途iPhoneやiPadを購入しなければいけない ・Wi-Fi 環境必須 |
個人的には一人薬剤師していたこともあって、これがあったらすごい安心だなぁという印象。一人薬剤師って処方箋が立て続けにくると、いろんなこと考えないといけないし、どうしてもバタバタするんですよね…
もう一人薬剤師を雇うには、人件費がかかりすぎるけど、このシステムだと年間96000円なので、だいぶ安上がり。なによりも機械で行うので間違いも少ないね。
コメント