↓抗不整脈薬
Ⅲ群(Kチャネル遮断薬)
心筋細胞のKチャネルを抑制し、活動電位時間を延長させることで不整脈を抑制する。その一方で、QT延長やトルサード・ド・ポワンツを起こす危険があるので、細心の注意が必要。他剤で効果が見られない心室性不整脈に対して用いられることが多い。
QT延長症候群、 トルサード・ド・ポワンツ って?
心電図のQT間隔が健常者よりも延長するものであり、QT延長からトルサード・ド・ポワンツが起こることがある。これを起こすと全身痙攣や失神を起こし、突然死の原因にもなったりする。Kチャネル遮断薬や抗精神病薬、抗生物質、抗真菌薬などがQT延長を引き起こすので注意が必要。QT間隔は心電図で確認することができる。
定期的な検査を勧めてや!
薬剤別・種類
アンカロン(アミオダロン)
用法用量・効能
・生命に危険のある下記の再発性不整脈で他の抗不整脈薬が無効か、又は使用できない場合
心室細動、心室性頻拍
・心不全(低心機能)又は肥大型心筋症に伴う心房細動
導入期:通常、成人にはアミオダロン塩酸塩として1日400mgを1~2回に分けて1~2週間経口投与する。
維持期:通常、成人にはアミオダロン塩酸塩として1日200mgを1~2回に分けて経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
併用禁忌
リトナビル、サキナビル、サキナビルメシル、インジナビル、ネルフィナビルメシル、スパルフロキサシン、モキシフロキサシン、バルデナフィル、シルデナフィル、トレミフェン、テラプレビル、フィンゴリモド又はエリグルスタット
特徴
高度のKチャネル遮断作用、中程度のα、β遮断作用、低度のNaチャネル、Caチャネルと多彩な作用を有している。半減期19日〜53日と極めて長いため、副作用の発現頻度は高くなる。特に他剤との併用は十分注意。
ヨウ素を多く含むため、甲状腺機能への影響に注意。
風邪のような症状が続く場合や動悸、食欲不振、倦怠感、視覚異常などが生じることがある場合は主治医に相談する。
ソタコール(ソタロール)
用法用量・効能
・生命に危険のある下記の再発性不整脈で他の抗不整脈薬が無効か、又は使用できない場合。
心室頻拍、心室細動
用法 通常、成人にはソタロール塩酸塩として1日80mgから投与を開始し、効果が不十分な場合は1日320mgまで漸増し、1日2回に分けて経口投与する。
併用禁忌
アミオダロン(注射)、バルデナフィル、モキシフロキサシン、トレミフェン又はフィンゴリモド
特徴
K遮断作用以外にβ遮断作用がある。なので気管支喘息の患者には禁忌。副作用に胸苦しさめまい、QT延長症候群、悪心、嘔吐などがあるので定期的な心電図検査や食欲などをチェックする。
シンビット(二フェカラント)
用法用量・効能
・生命に危険のある下記の不整脈で他の抗不整脈薬が無効か、又は使用できない場合
心室頻拍、心室細動
特徴
注射薬のみ。重度の心室性細動に用いる。最終手段ってイメージ。
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