定期的にペンタサ錠を服用している患者さんが来局
今日は新しい薬が出ていると思います。
そうなんですね(なになに?)
あ、レクタブルですね。
前使っていたペンタサ注腸よりも使いやすいと先生が仰っていました。
さて今回は久々にレクタブルを扱ったので~、まとめ!
適応
適応は潰瘍性大腸炎。
「主として粘膜を侵し、しばしばびらんや潰瘍を形成する大腸の原因不明のびまん性非特異性炎症」と定義される慢性難治性炎症性腸疾患です。20歳前後の若年者に好発し、激しい腹痛や下痢などの症状が現れる「活動期」と、症状がほとんど消失している「寛解期」を繰り返します。肉芽腫性炎症病変を呈するクローン病も、病態や治療方針などに似た面があることから、潰瘍性大腸炎と合わせて炎症性腸疾患(IBD)と呼ばれます。
適応が潰瘍性大腸炎で注腸剤で使われているのは他にメサラジン注腸剤(ペンサタ)、プレドニゾロン注腸剤(プレドネマ)、ベタメタゾン注腸剤(ステロネマ)などがあるりますね。
有効成分
有効成分はブデソニド。ステロイドに分類されます。
特徴としては
- グルココルチコイド受容体親和性が高く、局所で強力な抗炎症作用を発揮
- 肝臓での初回通過効果を受けやすいことから全身への作用は弱い
という特徴があります。
製品特徴
- 用法としては1回あたり1プッシュ(ブデソニドとして2mg)、1日2回直腸内に噴射するというもの。
- 日本初の注腸フォーム製剤で1本で1週間使える。
- 泡が直腸〜S状結腸までひろがり、とどまることで、漏れにくく、立ったままで投与できる。今までに発売されている腸注剤はメサラジン注腸剤などがあるが液剤のため肛門から漏れて下着に付いてしまう、注入の際に横になる必要がある、1回使い切りのためかさばるといった課題が指摘されていたがこの腸注フォームはその課題が克服されている。
今回の患者さんが言っていた「使いやすい」というのはこの3番目の記載やね。
副作用
国内臨床試験から、臨床検査値異常を含む副作用が54.3%に認められていることに十分注意する。
主な副作用として血中コルチゾール減少(41.1%)、血中コルチコトロピン減少(35.4%)などが報告されている。
またステロイド剤のため、感染症誘発に注意する。
なお、本薬がステロイド剤であり、長期投与における副腎皮質機能抑制などの全身作用の発現の可能性を否定できないことから、「投与中は患者の病態を十分観察し、投与開始6週間を目安に薬剤投与の必要性を検討し、漫然と投与を継続しないこと」にも留意する必要がある。
服薬指導
使用方法を指導
↑使い方を図で見たい方はこちら
- 1日2回なので朝の排便後と寝る前がベスト。
- 製剤が冷えていると流動性が悪くなるので手で温めてから使用する。なお、高圧ガスが入っているため、体温以外で温めるのはNG。
- バシャバシャと音が鳴るまでよく振る。
- 挿入しにくい場合は潤滑油(ワセリンやオリーブオイルなど)を活用する。
- 逆さまの状態で注入する。でないと出が悪くなる。
- 挿入後は2秒間押し続けた後、指を離して15秒間挿入したまま放置(この間に薬が注入されていく)。
使う時の注意点がけっこうあるから注意!
副作用について
- 多いのは血中コルチゾール減少・血中コルチコトロピン減少といった検査値異常が多い。定期的な血液検査は行う方が吉。
- 全身副作用が少ないとは言えど、ステロイド剤なので免疫反応低下による感染症には十分注意する。特に冬場などは風邪も引きやすいので注意。
詳しい副作用情報はこちら
最後に
初めて投薬した時、挿入した後のことばかり説明してしまって、使用前の準備のことについては疎かにしたなと反省したのはいい思い出…
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