べトプティック(ベタキソロール)点眼液 効果や副作用、注意点など

眼科系

どうも、ふみやさん(@fmyaku1015)です。

β遮断点眼薬である緑内障治療薬ですね。

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基本情報

べトプティック(ベタキソロール)の基本情報
【成分名】 ベタキソロール
【構造式】
【製品名】

先発品
ペトプティック点眼液0.5%
ペトプティックエス懸濁性点眼液0.5%
後発品
ベタキソロール点眼液0.5%「SW」

【配合剤】
なし
【分類】
選択的β1受容体拮抗薬、緑内障・高眼圧症治療剤
【効能】 緑内障、高眼圧症
【用法用量】 べトプティック点眼液:1回1滴、1日2回点眼
べトプティックエス懸濁性点眼液:1回1滴、1日2回点眼
【ISA】 なし
【妊婦】 禁忌
【授乳】 乳汁移行が確認されている
【禁忌】 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
コントロール不十分な心不全
妊婦又は妊娠している可能性のある女性
【市販薬】 なし
ふみやさん
ふみやさん

べトプティック点眼液は1日2回で安定的な眼圧降下作用を示します。その後、ベトプティック点眼液の眼局所刺激を軽減することを目的として、べトプティックエス懸濁性点眼液が発売されるようになりました。でも2023年3月で販売を中止するみたい…後発品は残ります。

こむこむ
こむこむ

他の非選択性のβ遮断点眼薬(チモロールやカルテオロールなど)と違って、β1選択性のベタキソロールは気管支喘息などの呼吸器疾患を持つ方にも使用できます。コントロール不良な心不全の方には他β遮断点眼薬同様使えません。妊婦さんに禁忌なのも注意ですね。

β遮断薬は、通常、内因性カテコールアミンの存在下で、そのβ受容体への結合を遮断することで効果を示しますが、内因性カテコールアミンが存在しない場合はβ遮断薬自体がβ受容体を刺激する作用を持ちます。β受容体を完全に遮断してしまうことによる心機能低下の危険を部分的に緩和したい場合に有用だったりします。

 

作用機序

緑内障は眼内の眼房水の量が増えて圧迫、もしくは②うまく眼房水が外に出られず眼内を圧迫することで視神経を損傷する疾患で、徐々に視力が低下していきます。

ベタキソロールは毛様体に入る輸入動脈血管に存在するβ1受容体を遮断し、眼房水の産生・供給を減少させることで①を改善し、眼圧降下作用を示します。

瞳孔径や焦点調節などには全く影響を与えません。

ちなみに毛様体に存在するα1受容体とβ2受容体への刺激は

α1受容体…毛様体血管の収縮➡️眼房水排泄低下眼圧上昇

α2受容体…細胞内cAMP減少➡️眼房水産生低下眼圧下降

β1受容体…毛様体血管の拡張➡️眼房水産生促進眼圧上昇

β2受容体…β1の作用に加え、毛様体筋弛緩➡️眼房水排泄低下眼圧上昇

 の役割があります。

ふみやさん
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ベタキソロールはβ1受容体のみを遮断し、眼圧は下降させる方向に働きます

副作用

頻度が多い副作用は

  1. 眼のかゆみや異物感
  2. 角膜炎や目の充血

全身性の副作用である呼吸器系の副作用は少ないですが、徐脈や低血圧などは呼吸器系の副作用と比較して高いので注意が必要です。

ふみやさん
ふみやさん

眼のかゆみや異物感などは点眼薬ならどれも起こることのある副作用です。それも浸透圧や防腐剤が原因であることが多いので、そういったことがあれば薬剤を変更するのも視野に入れます。

こむこむ
こむこむ

プロスタグランジン系点眼薬に特徴的な色素沈着や睫毛の異常などの報告はありません。

相互作用

併用することで禁忌となる薬剤はありませんが、注意を要する薬剤はあります。

【内服薬】
カテコールアミン枯渇剤:レセルピン等
β-遮断剤(全身投与):プロプラノロール等
カルシウム拮抗剤:ベラパミル等
ふみやさん
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内服薬のβ遮断作用の効果を助長することがあります。

服薬指導

さぁ薬の事はわかりました。次はどう患者さんに指導していきましょう。

基本的な確認

  1. 点眼薬は上手に点すことができるか
  2. 病識を理解しているか
  3. 不安などはあるか
  4. 重度の心不全を抱えていないか
  5. 妊婦かどうか

このあたりは確認しておきましょう。

1~3はアドヒアランスの維持に関係があります。緑内障の治療は医師や薬剤師が思ったよりもアドヒアランスが悪く、初回緑内障点眼薬処方患者は治療開始約 1 年でその40%が治療から脱落すると報告されています。

4、5は禁忌になりますので必ず確認します。

ふみやさん
ふみやさん

医師から指導は受けると思いますが、病識理解のためにも、薬剤師も指導の際には点眼薬の使い方と同時に緑内障がどんな病気なのかをしっかり説明していきたいですね。

緑内障は…

眼圧が上昇することで視神経が徐々に損傷していき、視力がかなり落ちてしまいます。自覚症状がないので、アドヒアランス低下に繋がる要因でもあります。

副作用の説明

副作用の欄にもありました①目の違和感、②徐脈や低血圧、このあたりは伝えておきます。②は頻度こそ少ないですが、起こることがあるということは伝えておいたほうがいいかもしれません。

こむこむ
こむこむ

眼の沁みや痛みなどが気になる場合は医師に薬剤変更提案することを考えます。

点し方の説明

用法は1日2回です。べトプティックエス懸濁性点眼液のほうは懸濁液なので、よく振ってから点眼してください。

また、手が震える、容器が持ちにくいなどあれば、げんこつ法やGEメーカーへの変更提案など視野に入れましょう。

保存条件

べトプティック点眼液とべトプティックエス懸濁性点眼液はどちらも室温保存です。開封後は1か月以内に使い切るようにしましょう。


ふみやさん
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こむこむ
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ふみやさん
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