どうも、ふみやさんです。
発売された当初は「なんじゃこの包装の大きさは!?」ってなりましたけど、小型化(PTP)しましたね。
今日は便秘型の過敏性腸症候群以外にも慢性便秘症に使えるリンゼスについて。
リンゼス錠って?
リンゼス(リナクロチド)錠の基本情報 | |
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【成分名】 | リナクロチド |
【構造式】 | |
【製品名】 |
先発品 |
【配合剤】 |
なし
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【分類】 |
グアニル酸シクラーゼC受容体アゴニスト
|
【効能】 | 便秘型過敏性腸症候群 慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く) |
【用法用量】 | 通常、成人にはリナクロチドとして0.5mgを1日1回、食前に経口投与する。 なお、症状により0.25mgに減量する。 |
【妊婦】 | 有益性投与 |
【授乳】 | 治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、 授乳の継続又は中止を検討すること。 |
【禁忌】 | 機械的消化管閉塞又はその疑いがある患者 本剤の成に対し過敏症の既往歴のある患者 |
【市販薬】 | なし |
もともとは便秘型の過敏性腸症候群の適応で発売されており、のちに慢性便秘症の適応をとり、処方しやすくなった印象です。
アミノ酸がつながってる構造なんやね。
作用機序
作用は【グアニル酸シクラーゼC(GC-C)受容体アゴニスト】という分類に分かれます。
発売された当初はピンと来ない薬剤師の方がほとんどだったはず…
だって習ってないんですもの。
それも当たり前。新しい作用機序の成分だからなんですね。
ではどういうふうに働くかというと、腸間の管腔表面に存在するGC-C受容体を活性化し、細胞内のサイクリックGMP濃度を増加させることで腸管分泌及び腸管輸送能促進作用並びに大腸痛覚過敏改善します。
要はcGMPが増えることで分泌も増えるし、痛みも抑えるし、といった感じですね。
適応、用法
適応は
【便秘型過敏性腸症候群】と
【慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)】です。
器質的疾患ってなんやっけ?
器質的疾患による便秘とは大腸やその周辺が疾患により、大腸が変形したり、腸が狭くなったりしてしまうことで排便がうまく行われないことで便秘のこと。
例えば、大腸ガン、大腸ポリープ、腸閉塞、潰瘍性大腸炎などの大腸自体の疾患や後腹膜腫瘍、子宮筋腫などの大腸周辺の疾患による便秘です。
用法用量は
通常、成人にはリナクロチドとして0.5mgを1日1回、食前に経口投与する。
なお、症状により0.25mgに減量する。
リンゼス錠0.25mg添付文書より
リンゼス錠は0.25mgの規格のものしかないので、基本1回2錠になりますね。
グーフィスと同様にリンゼスも食前か…。グーフィスは食後だと効果が落ちたけど、リンゼスは…?
リンゼスは用法が食前となっています。
インタビューホームにはこう記載があります。
BSFS スコアの調整済み平均値の差(食後投与-食前投与)(90%CI)は、0.68(0.33-1.02)であり、食前投与に比べて食後投与で、統計的に有意なBSFS スコアの上昇が認められた。SBM 頻度、CSBM 頻度及びいきみの重症度スコアでも、反復投与での薬力学的な変化が認められ、投与条件別では、食前投与に比べて食後投与で、変化量が大きかった。
つまり…どういうこっちゃ
これはつまり、食前投与に比べて食後投与で軟便、下痢の症状が多かったため食前投与となっています。
グーフィスと違って、リンゼスは作用が増強してしまうんやなぁ…
副作用
主な副作用は【下痢(11.6%)】や【腹痛(1~5%)】です。
下剤によくある副作用ですね。
このような副作用が現れた場合は添付文書にも記載がある通り、1回1錠に減量や休薬して様子を見ます。
飲み合わせ
添付文書には飲み合わせによる記述はありませんが、薬物相互作用の欄にこのような記載があります。
排出又は取り込みトランスポーターのうち、OATP2B1に対して阻害作用(10μmol/Lにて55%の阻害)を示したが…
リンゼス錠0.25mg添付文書より 薬物相互作用、一部引用
でた…OATP2B1…
小腸の管腔側に存在するやつやね。
OATP2B1は有機アニオントランスポーターの仲間で小腸の管腔側、つまり吸収する側に存在します。
OATP2B1で吸収される薬物で有名なのがプラバスタチンなどのスタチン系、抗アレルギー剤のフェキソフェナジンなどがあります。
半分阻害やけど、一応頭に入れておこっ
まとめ
・リンゼスは便秘型過敏性腸症候群と慢性便秘症の2つの適応がある。
・食後は下痢の副作用が出やすいので食前服用
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