どうも、ふみやさんです。
施設の看護師さんからこんな質問がありました。
グーフィス錠って食前の指示が来てるけど、飲ます側としたら食後の方がいいんよねぇ。食後やと何か不都合ある?
確かにコンプライアンスを考えると食後のほうが飲む方も飲ます側も管理しやすいですよね…。
今回はそれも含めてグーフィスについてまとめていきます。
グーフィス錠とは
グーフィス(エロビキシバット)軟膏の基本情報 | |
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【成分名】 | エロビキシバット |
【構造式】 | |
【製品名】 |
先発品 |
【配合剤】 |
なし
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【分類】 |
胆汁酸トランスポーター阻害剤
|
【効能】 | 慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く) |
【用法用量】 | 通常、成人にはエロビキシバットとして10mgを1日1回食前に経口投与する。 なお、症状により適宜増減するが、最高用量は1日15mgとする。 |
【妊婦】 | 有益性投与 |
【授乳】 | 乳汁移行が確認されている。 |
【禁忌】 | 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者 腫瘍、ヘルニア等による腸閉塞が確認されている又は疑われる患者 |
【市販薬】 | なし |
語尾の~xibatは後の作用機序でも説明しますがxi(阻害)、ibat(胆汁酸トランスポーター)の意味を示します。
まだ類似薬はでていないけど、今後~キシバットっていう医薬品が出たら、大体予想つきますね!
作用機序
上記で少し触れましたが作用は胆汁酸トランスポーターを阻害することで便秘改善を促します。
では何故、胆汁酸トランボーターを阻害することで便秘が改善されるか見ていきましょう。
胆汁酸は普段は胆のうというところに貯められています。
胆汁酸の主な作用としては消化管内でミセルを形成を促進し、食物の脂肪分を吸収しやすくします。他にも余分なコレステロールを排出する作用もあります。やがて、その胆汁酸は回腸で90%の量が胆汁酸トランスポーターで再吸収され、残りの10%は便中に排出されます。
グーフィスはこの黄色の斜線部のところに作用するわけですね。
グーフィスは胆汁酸トランスポーターを阻害することで、胆汁酸の再吸収を抑え、腸管内に胆汁酸の量を増やします。実は、胆汁酸は大腸管腔内に水分を分泌させ、さらに消化管運動を促進させるため、必然的に胆汁酸の量が増えれば、水分分泌と大腸運動促進の2つの作用が増強され、便秘治療効果が発現します。
効果の発現は5~6時間と言われています。
適応、用法
適応は【慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)】です。
器質的疾患ってなんやっけ?
用法は
通常、成人にはエロビキシバットとして10mgを1日1回食前に経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、最高用量は1日15mgとする。
グーフィス®錠5mg添付文書より
グーフィス錠は5mgの規格のものしかないので、通常は1回2錠になります。
冒頭でもあったけど、飲むのは食前やね。食後じゃだめなんかな?
では何故、食前なのか。
結論から言うと、それは食前のほうが効果が高いからです。
理由として、胆汁酸は食事を摂ることで分泌されるのですが、食事をしてからだと遅いんですよね。なので食前、できれば30分前くらいに服用して、先に胆汁酸トランポーターを阻害しておいてあげるというわけです。
食後やご飯を食べない寝る前の服用などは効果が減弱してしまうね。
副作用
主な副作用は腹痛(19.0%)、下痢(15.7%)です。
便秘薬でよくある副作用ですね。
添付文書にはこんな文言があります。
〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉
本剤投与中は腹痛や下痢があらわれるおそれがあるので、症状に応じて減量、休薬又は中止を考慮し、本剤を漫然と継続投与しないよう、定期的に本剤の投与継続の必要性を検討すること。
グーフィス®錠5mg添付文書より
最初は1回2錠で服用しますが、実際副作用が発現した場合はいったん休薬して、下痢などが落ち着いたら、1回1錠で減量するなどして様子を見ます。
飲み合わせ
併用禁忌はありませんが注意はあります。
胆汁酸吸着剤
作用の肝は胆汁酸の量を増やすことで効果を発揮することなので、それを邪魔する薬剤は併用注意です。
- アルミニウム含有製剤
- コレスチラミン、コレスチミド
p-糖蛋白質で排出される薬
p-糖蛋白質は薬物を排出する輸送体であり、グーフィスはこれを阻害する作用も持ちます。なので以下の薬剤の血中濃度が上がって副作用の発現率が上昇します。
- ジゴキシン
- ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸
添付文書にはこの2つしか載ってませんが、
リバーロキサバン(イグザレルト)
エドキサバン(リクシアナ)
パクリタキセル(タキソール)
ドセタキセル(タキソテール)
なども注意でしょうねぇ。
胆汁酸製剤
胆汁酸製剤は利胆作用から腸管循環を助けているような薬ですが、グーフィスはその循環を阻害するので以下の薬剤は作用が減弱します。
- ウルソデオキシコール酸
- ケノデオキシコール酸
機序不明
機序不明ですが以下薬剤の血中濃度が下がり、作用が減弱します。
- ミダゾラム
食前は忘れやすいよね…
食後やと薬の効果がなかなか出にくいんですよね…
ん~仕方ないか…。けっこう大変なのよね~。見てる人数も多いし…。
まぁ確かに。食後にすぐ服用しているようでしたら、食事と同時に薬を置いといて、「いただきます」の前に飲ます方がいいかもしれませんね。ベストは30分前くらいですけど…。
食前厳しかったら他の薬変更提案してみます?
いやまぁなるべく食前で頑張ってみて管理が厳しかったら、その時は頼むわ!ありがとうね!
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