フラジール膣錠　生理中でも使ってもいい？

どうも、婦人科の門前に転職してから婦人薬を扱うことが増えたふみやさんです。

今回はフラジール膣錠について基本的な使い方や注意点、よくある質問についてまとめていきます。

なんの病気に使うか

適応ですね。フラジール膣錠の主成分「メトロニダゾール」が原虫や菌体内に入り込み、ニトロソ化合物（R-NO）に変化し、その過程で生じるヒドロキシラジカルがDNAを切断し、原虫や菌を死滅させます。

よって適応はトリコモナス膣炎と細菌性膣症となります。

それぞれの適応で使用する期間が少し違う。

トリコモナス膣炎

トリコモナス膣炎とはトリコモナスっていう原虫が膣粘膜に寄生して炎症を起こす病気。

通常、膣内は乳酸菌が膣表面にあるグリコーゲンを分解して乳酸を作ることで酸性を保ち、病原菌から守っている。そこにトリコモナスがグリコーゲンを食べちゃうので乳酸が作れなくなり、膣内の酸性が弱まり、炎症を引き起こすわけである。

感染経路は主に性行為。性交渉相手がトリコモナスに感染しているとうつる。ただし、トリコモナスは水のある所ならしばらく生きるので、お風呂やプールなどから移る場合もあるので、一概に性感染症とも言えない。

症状は黄白色で、泡立ったおりものの増加や異臭、デリケートゾーンのかゆみなどがある。また性行為時の痛みや排尿痛などもある。

　

細菌性膣炎

こちらは細菌の異常増殖が原因で起こる膣炎。普段、膣内は酸性に保たれており、自浄作用によって菌の侵入など防いでいるが、ストレスや疲れなどで免疫系が下がると、自浄作用が弱まり、大腸菌やブドウ球菌、連鎖球菌など普段共生している菌が異常増殖し、炎症を引き起こす。

症状はおりものの異臭や異常、デリケートゾーンのかゆみなどがある。トリコモナス膣炎と症状は似ている。

※ちなみに膣カンジダ症のおりものの症状は白っぽい膿(うみ)のようなオリモノで、酒粕のようなポロポロしたおりものや強いかゆみが特徴。

　

使用方法

使用するタイミングは寝る前の指示が多い。というのも寝ている間は横になるので薬剤が出てくることが少ないからである。それ以外の用法タイミングの場合は挿入した後に運動などはせずに、20～30分は安静しておくようにしましょう。

　

副作用は？

そう痒感、腟壁充血等の局所刺激、局所の発赤などが現れる可能性がある。と言っても病状でそうなのか副作用なのか、判断付きにくい場合もありますが…。

軽い場合はそのまま使用を続けてもらってよいが、症状が強い場合は使用を中止し、主治医に指示を仰ぐ。

　

使用期間中、生理が来たらどうするの？

結論から言うと、

トリコモナスが原因の膣炎以外の場合は基本、生理が来たら一時中断するのが基本（生理が来たら薬剤が流れていってしまうため）。

しかし、トリコモナス膣炎の場合は、トリコモナス自体が血液を好み、生理中でもさらに増殖してしまう可能性があるため、使用は続ける。

また生理中にタンポンを使用する方もいると思うが、タンポンは薬剤を吸収してしまい、効果が現れないこともあるので使用は控える。

　

妊娠してますが大丈夫？

フラジール膣錠に関しては特に妊婦に対して制限はかかっていない。フラジール膣錠は局所的に作用するので血中に移行することはほとんどない。

ただし、フラジール内服錠については妊娠3か月以内の妊婦さんには原則禁忌となっているので注意が必要。

　

うまく薬が入らない。どうしたら？

片足をイスに乗っけた姿勢or膝立ちの姿勢で人差し指と中指の指2本で薬を挟んで入れるとよい。

だいたい第二関節くらいまでのところまで入れる。