↓糖尿病薬まとめ
作用機序
まずはインスリンの分泌機構について理解
- β細胞膜にあるグルコーストランスポーター(GLUT2)によって、血糖依存的にブドウ糖が細胞内に輸送される。このブドウ糖は解糖系でピルビン酸になり、ミトコンドリアでATPが産生される。
- 細胞内ATP濃度が上昇するとATP依存性Kチャネル(K+ATP チャネル)が閉じて膜の脱分極を起こる。
- 電位依存性Caチャネルが開口してCa 2+ が流入。するとインスリン分泌顆粒からインスリンが分泌される。
薬剤別 種類
第1世代から第3世代まであるが第1世代はあまり使われないので割愛。
オイグルコン、ダオニール、パミルコン(グリベンクラミド、第2世代)
インスリン非依存型糖尿病
通常、1日量グリベンクラミドとして1.25mg~2.5mgを経口投与し、必要に応じ適宜増量して維持量を決定する。
ただし、1日最高投与量は10mgとする。
投与方法は、原則として1回投与の場合は朝食前又は後、2回投与の場合は朝夕それぞれ食前又は後に経口投与する。
特徴
SU剤の中で効果は最強クラス。同時に低血糖も生じやすい。半減期は2.7時間だが、作用時間は12~24時間とされている。
グリミクロン(グリクラジド、第2世代)
用法用量・適応
インスリン非依存型糖尿病
グリクラジドとして、通常成人では1日40mgより開始し、1日1~2回(朝または朝夕)食前または食後に経口服用する。維持量は通常1日40~120mgであるが、160mgを超えないものとする。
特徴
抗酸化作用と血小板機能抑制作用がある。これらの作用を併せ持つため、グリミクロンは糖尿病の合併症である網膜症や神経障害などの血管病変に対する効果を期待して使われることがある。
アマリール(グリメピリド、第3世代)
2型糖尿病
通常、グリメピリドとして1日0.5~1mgより開始し、1日 1~2回朝または朝夕、食前または食後に経口投与する。 維持量は通常1日1~4mgで、必要に応じて適宜増減す る。なお、1日最高投与量は6mgまでとする。
特徴
インスリン分泌作用は第2世代より弱い(膵臓に負担をかけにくい)と言われているが、膵外作用(インスリン抵抗性改善)があるため、血糖降下作用は同じくらいと言われている。
副作用
血糖値に関係なくインスリン分泌を行うので低血糖症状が起きやすい。一般的に血糖値が70mg/dl以下になると低血糖と言われる。冷や汗や震えなどの低血糖症状が現れたら慌てずにブドウ糖やジュースなどの糖分を補給すること。
SU剤とマクロライド系、ニューキノロン系、抗真菌薬の一部などの抗菌薬を併用すると重症低血糖を引き起こすことがある。これらの抗菌薬はCYPで代謝され、代謝系が競合しているSU剤の蓄積が起こる。
飲み忘れた場合
飲み忘れてしまったら、忘れた分の薬はすぐに服用せず、次の服用時間に1回分だけ服用する。
低血糖の危険性が高まるため、絶対に2回分の薬を1度に服用はしない。
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