コロネル錠/細粒は過敏性腸症候群に使われる薬です。
錠剤やとめちゃ錠剤が大きいんですよね~。今回はコロネルを紐解いていきます。
コロネルって?
コロネルの主成分は【ポリカルボフィルカルシウム】になります。
過敏性腸症候群(IBS)は下痢型や便秘型、または混合型、そのいずれでもない4つに分けられますが、IBSは精神的・肉体的ストレスなどでその時々によって変わってくるため、例えば下痢止め、または便秘薬を使うとなるとどちらか一方の症状しか効果が出ないことになります。
そいうった経緯から下痢、便秘どちらにも有効であるコロネルが開発されました。

適応は過敏性腸症候群のみで、下痢や便秘どちらとも有効やで。
どのように作用する?
下痢や便秘を引き起こす原因として共通する部分に、腸管内の水分量の異常に基づく腸管内容物の形状変化があります。コロネルはその水分量の異常を補正することで下痢や便秘どちらともに効能を示します。
ポリカルボフィルカルシウムは酸性条件下でカルシウムが遊離した後に、中性条件下で多量の水を吸収して膨潤・ゲル化します。

下痢時は水分が過剰な状態です。ポリカルボフィルカルシウムはその余分な水分を吸収することで下痢を改善させます。

便秘時は便中の水分が足りない状態です。ポリカルボフィルカルシウムは消化管内で水分を吸水・保持して、減少した便中水分量を改善するとともに、膨潤して腸管を刺激することにより便を排出させ、便秘を改善させます。
用法用量
用法用量は
通常、成人にはポリカルボフィルカルシウムとして1 日量1.5~3.0gを 3 回に分けて、食後に水とともに経口投与する。
コロネル錠500mg/細粒83.3% (astellas.jp) より

錠剤は1錠500mgなので3~6錠/日、細粒は1g中833mgなので1.8~3.6g/日 やな。

ちなみに下痢状態の場合は1.5g/日~から有効で、便秘状態の場合は3.0g/日で有効となってるで!こんな感じ。

ポリカルボフィルカルシウムはカルシウム塩なので酸性条件下でカルシウムイオンが遊離されやすく、その後薬効が発現すると考えられています。食後は胃酸分泌が活発になることと、食べ物とある程度混ざり合うことで薬効が最も発揮すると考えられています。
割ってもいい?
錠剤は直径17.8mmとなかなかに大きく飲みやすい。そんな中でよくある質問に

割ってもいいの?
結論から言いますと割っても、さほど問題ありません。
コロネルはその性質上、水を吸収して膨張するので、大きくて飲み切れず食道にとどまった場合、徐々に膨張して喉を詰まらせることがあるので、飲みにくい方は割って飲んでもらって、水で流し込んでもらうほうが安全ですね。
有効性は?
下痢型や便秘型、または混合型、そのいずれでもない4つ すべてにおいて85%以上と言われています。
飲み合わせに注意がいるものは?
ポリカルボフィルカルシウムは
- 酸性条件下で薬効発現
- カルシウムイオンが遊離する
この2つに着目すると
1はH2ブロッカーやPPI、制酸剤などの胃の中を塩基性に傾ける薬剤は薬効が落ちます。
2はカルシウムイオンと関係する薬剤で、
- カルシウム剤、ビタミンD製剤 → 高カルシウム血症のリスク
- ジゴキシン製剤 → カルシウムは心筋収縮力を強める(不整脈誘発リスク)
- テトラサイクリン系、ニューキノロン系抗菌剤 → キレート生成(作用減弱)

ポリカルボフィルカルシウムの作用機序から考えたら連想しやすいね。
参考文献
コロネル錠500mg 添付文書 IF
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