どうも、ふみやさん(@fmyaku1015)です。
炭酸脱水酵素阻害点眼薬である緑内障治療薬ですね。
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基本情報
エイゾプト(ブリンゾラミド)の基本情報 | |
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【成分名】 | ブリンゾラミド |
【構造式】 | |
【製品名】 |
先発品
エイゾプト懸濁性点眼液1% 後発品 ブリンゾラミド懸濁性点眼液1%「各メーカー」 |
【配合剤】 |
先発品
アイラミド配合懸濁性点眼液(+ブリモニジン) 後発品 なし |
【分類】 |
炭酸脱水酵素阻害薬、緑内障・高眼圧症治療剤
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【効能】 | 緑内障、高眼圧症 |
【用法用量】 | 1回1滴、1日2回点眼 |
【妊婦】 | 有益性投与 |
【授乳】 | 乳汁移行が確認されている |
【禁忌】 | 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者 重篤な腎障害のある患者 |
【市販薬】 | なし |
エイゾプト懸濁性点眼液は構造式を工夫することで1日2回という用法が実現されています。エイゾプト点眼液の薬液は中性なのでトルソプト点眼液に比べて、点眼した際に生じる目の沁みなども改善されています。しかし懸濁してあるので、点眼した際に目の前がまっしろになることもあるので機械操作などされる方に関しては注意が必要です。
ブリンゾラミドは腎臓で排泄されるので、透析などの重篤な腎障害を抱えている患者は禁忌となります。
作用機序
ブリンゾラミドは毛様体細胞側の炭酸脱水酵素を阻害することにより、重炭酸イオン(⁻HCO₃)の濃度が下がります。すると重炭酸イオン(⁻HCO₃)と連動しているNa⁺イオンの後眼房側への輸送が減り、眼房水の産生を減少させます。
厳密に言うと炭酸脱水酵素II型を選択的に阻害します。炭酸脱水酵素の型には7種類ありますがⅡ型とⅣ型が眼房水産生に関与します。瞳孔径・調節に影響を与えません。
副作用
頻度が多い副作用は目の沁みや霧視(目の前が真っ白に)、角膜炎、目の充血と目局所の副作用が多いです。
また、点眼後に全身的に移行することで副作用が起こる場合があります。
全身の副作用として四肢の痺れなどが特徴的です。が、一部全身に移行したものは赤血球のⅡ型炭酸脱水酵素と結合するため全身の副作用はほとんど無く、副作用は眼局所に多いです。
眼のかゆみや異物感などは点眼薬ならどれも起こることのある副作用です。それも浸透圧や防腐剤が原因であることが多いので、そういったことがあれば薬剤を変更するのも視野に入れます。
違和感があればすぐに主治医へ相談!
相互作用
併用することで禁忌となる薬剤はありませんが、注意を要する薬剤はあります。
【薬剤】 | 【理由】 |
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炭酸脱水酵素阻害剤 (全身投与):アセタゾラミド | 炭酸脱水酵素阻害剤の全身的な作用が増強される可能性がある |
アスピリン(大量) | 本剤を大量のアスピリンと併用すると、双方 又は一方の薬剤の副作用が増強される可能性がある。 |
点眼薬は併用しても問題なさそうですね。
服薬指導
さぁ薬の事はわかりました。次はどう患者さんに指導していきましょう。
基本的な確認
- 点眼薬は上手に点すことができるか
- 病識を理解しているか
- 不安などはあるか
- 重篤な腎障害を抱えていないか
このあたりは確認しておきましょう。
1~3はアドヒアランスの維持に関係があります。緑内障の治療は医師や薬剤師が思ったよりもアドヒアランスが悪く、初回緑内障点眼薬処方患者は治療開始約 1 年でその40%が治療から脱落すると報告されています。
4は禁忌になりますので必ず確認します。
医師から指導は受けると思いますが、病識理解のためにも、薬剤師も指導の際には点眼薬の使い方と同時に緑内障がどんな病気なのかをしっかり説明していきたいですね。
眼圧が上昇することで視神経が徐々に損傷していき、視力がかなり落ちてしまいます。自覚症状がないので、アドヒアランス低下に繋がる要因でもあります。
副作用の説明
副作用の欄にもありました①目の違和感や霧視、②しびれ、このあたりは伝えておきます。②は頻度こそ少ないですが、起こることがあるということは伝えておいたほうがいいかもしれません。
眼の沁みや痛みなどが気になる場合は医師に薬剤変更提案することを考えます。
点し方の説明
用法は1日2回です。
また、手が震える、容器が持ちにくいなどあれば、げんこつ法など勧めましょう。
保存条件
エイゾプト懸濁性点眼液は室温保存です。開封後は1か月以内に使い切るようにしましょう。
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