頭痛の薬物治療

服薬指導

どうも、ふみやさんです。

ここでは頭痛の薬物治療にざっくりとまとめていきます。

頭痛の分類と治療

まずは頭痛の分類について知る必要があります。と言っても別の病気から派生する二次性頭痛まで見てたらキリがないので、一次性頭痛を中心に見ていきます。

緊張型頭痛

一次性頭痛の中でも最も有病率が高い。締め付けるような頭痛が特徴。頭痛が起こる頻度によってさらに4つに分けられる。

  • 稀発反復性緊張型頭痛
  • 頻発反復性緊張型頭痛
  • 慢性緊張型頭痛
  • 緊張型頭痛の疑い

治療の対象となるのは?

対象となるのは日常生活に使用をきたしている場合や頻度や重症度が増大している場合に受診勧奨。【稀発反復性緊張型頭痛】やOTC薬(市販薬)で改善するような頭痛は治療の対象にはならない。

薬物治療

急性期治療アセトアミノフェンとNSAIDsが主体(エビデンスレベルA)

NSAIDsとカフェイン複合型の薬物投与(エビデンスレベルB)は依存性があるため、注意が必要。

筋弛緩薬やトリプタン系、オピオイドは欧州のガイドラインでは推奨されていない。

筋弛緩薬、特にチザニジンは現日本では経験的に使用され、保険適応外が認められてはいる(エビデンスレベルB)が、慢性型緊張型頭痛に関しては十分なエビデンスが揃っていない。

予防療法

予防療法は主に【頻発反復性緊張型頭痛】と【慢性緊張型頭痛】に適応する。

【頻発反復性緊張型頭痛】や【慢性緊張型頭痛】はストレスや不安症、うつ病の合併も多いことから、三環系抗うつ薬のアミトリプチリンが第一選択となる(エビデンスレベルA)。他の抗うつ薬(SSRIやNaSSAなど)も使われることもあるが、エビデンスが十分ではない。

予防療法は半年~1年くらいで再評価して継続するか検討すべき(エビデンスレベルA)

非薬物療法

すべての緊張型頭痛に考慮されるべきである治療となる。

  • 筋電図バイオフィードバック療法(エビデンスレベルA)
  • 認知行動療法(エビデンスレベルC)
  • リラクセーション療法(エビデンスレベルC)
  • 鍼灸(しんきゅう)(エビデンスレベルC)
  • トリガーポイント注射(【頻発反復性緊張型頭痛】と【慢性緊張型頭痛】に対してエビデンスレベルB

またストレスや不安症などの精神的な面が危険因子になる可能性が高いので、それらの除去も考慮に入れる(エビデンスレベルC)

 

片頭痛

片頭痛は拍動性のずるうが特徴で、若い人も多く、特に女性に多い。

またもう一つ特徴的なのが、前兆がある場合がある。前兆は病態にもよって様々で、めまいや難聴、視覚異常(閃輝暗点、視覚消失)などがある。

薬物療法

急性期治療では薬物療法が中心となり

  • アセトアミノフェン
  • NSAIDs
  • トリプタミン
  • エルゴタミン
  • 制吐薬

を中心に使う。

使い分けに関しては、最初は安価で安全なアセトアミノフェンから使用し、効果がなければトリプタン系のような高価な薬剤を試すといった方法(段階的治療)重症度に応じて薬剤を選択していく方法(層別治療)とに分けられる。

治療戦略として

急性期治療のゴール設定としては患者が副作用なく片頭痛発作を速やかに消失させ、患者の機能を回復するのが理想的。薬剤を服用して、2時間後の症状の改善具合を見て、判断するのが一般的。

段階的治療

  1. 軽~中程度なら【アセトアミノフェン】や【NSAIDs】を単剤で試してみる。
  2. 効果がない場合は【トリプタン系】を使用してみる
  3. それでも効果がない場合は【トリプタン系】+【NSAIDs】を併用してみる。

いずれも【制吐薬】の併用は有用であり、いずれも3回は試すのが一般的(エビデンスはないが)。

層別治療

症状が軽症であれば【NSAIDs】中程度~重症であれば【トリプタン系】を使用する。

指導の重要性について

片頭痛の治療は早期服用が強く推奨されるが、その反面、過剰服用というリスクもある。

処方が来た際は発作の頻度や次回受診日の確認して処方日数が適切かどうか確認。

非オピオイド鎮痛薬では15日以上/月、トリプタン系では10日以上/月 服用しているとMOH(薬剤の使用過多による頭痛=薬物乱用性頭痛)を起こすことも十分に指導する

 

三叉神経・自立神経性頭痛(TACs)

よく群発頭痛は”目をえぐられるような痛み”とはよく言うが、かなり痛みを伴う。他の頭痛に比べ有病率は低い。男性に多い。

主に5つに分類される。

  • 群発頭痛
  • 発作性片側頭痛
  • 短時間持続性片側神経痛様頭痛発作
  • 持続性片側頭痛
  • 三叉神経・自立神経性頭痛の疑い

薬物療法

群発頭痛

急性期治療:スマトリプタン3mg皮下注、酸素吸入(エビデンスレベルA)

海外ではスマトリプタン20mgの鼻腔内投与とゾルミトリプタンの経口投与、またオクトレオチドの有効性が報告されているが日本では適応外。リドカインやNSAIDsはエビデンスが不十分。

予防療法:海外ではベラパミルの360mg/日において有効性が示されているが徐脈や心不全の副作用が問題となる。日本でもベラパミルの適応外使用が認められているが240mg/日(エビデンスレベルB)。ロメリジンも若干の予防効果が認められているが十分なデータはない。

発作性片側頭痛

インドメタシンが絶対的な治療効果をを示すが、日本ではプロドラッグであるインドメタシン ファルネシル(インフリー)、アセメタシン(ランツジール)、プログルメタシン(ミリダシン)(エビデンスレベルA)。他のNSAIDsは十分なエビデンスがない。

短時間持続性片側神経痛様頭痛発作

有病率が低いので大規模な研究は行われていない。ラモトリギンが最も有効で、ガバベンチンやトピラマートも有効とされている報告もある(エビデンスレベルC)

持続性片側頭痛

インドメタシンが絶対的な効果を示す(エビデンスレベルA)

 

薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛:MOH)

頭痛に悩み、薬を飲みすぎるあまり、それにより頭痛を起こしてしまう。

治療には

  • 原因薬剤の中止
  • 薬剤中止後へに起こる頭痛への対処
  • 予防投与

を試みる。

原因薬剤の中止は即時中止を推奨。漸減中止は再発率が多かったという報告。

多くのMOH患者は単純な情報とアドバイスのみで頭痛の改善を達成できることが多い。

MOHの頭痛の原因が片頭痛の場合は予防薬としてバルプロ酸、プロプラノロール、アミトリプチリンン、ロメリジンなどが選択肢になる。

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参考

頭痛の診療ガイドライン2021 (jhsnet.net)

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