褥瘡を知る

皮膚科系

薬局薬剤師をしていると、在宅活動を積極的にしていない限り、褥瘡の場面に出くわすことはそうないです。だからなのか、この分野は僕含めて、弱い薬剤師は多いはず…(偏見)。

なので、今回は苦手克服もこめて、まとめていこうと思う。

 

褥瘡って?

まずは褥瘡(じょくそう)って何なのかって話ですね。

一言で言うと褥瘡は皮膚が壊死してしまうこと

直接的な要因としては、皮膚の一定部位に持続的な圧力が加わり皮膚への血流が途絶えてしまうことで、壊死に至る。

好発部位

多くの寝たきりの人は仰向け(仰臥位)で過ごしますが、この状態では仙骨部に体重の半分が乗っかります。そのため仙骨部が褥瘡の好発部になる。横向き(側臥位)では腸骨稜部、大転子部、うつ伏せ(腹臥位)では膝、座った状態(座位)では仙骨結節部などに好発する。

ふみやさん
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まぁ腰回りってことやな

座った状態では約20分、寝た状態だと約2時間で壊死が生じ始めると言われてるのでベッド上では2時間ごとの体位変換、座った状態では20分ごとのプッシュアップすることが重要になってくる。

 

二次的要因により発生する褥瘡

上記での説明は一次的(直接的な)要因でしたが、それ以外での要因でも褥瘡は発生します。

以下、その要因。

・低栄養 ・やせ ・薬剤(抗がん剤、ステロイドによる易感染性)

・加齢、基礎疾患(骨粗しょう症、糖尿病、心不全等)

 

褥瘡の分類

 発生した直後からの時間の経過で急性期慢性期に分かれる。

急性期

褥瘡が発生してから1~2週間を急性期と呼ぶ。

初期の症状は発赤、紫斑、水泡、びらん、浅い潰瘍、浮腫、硬結といった多様な症状が現れる。そこから紅斑や水泡、びらん、浅い潰瘍が続く場合は浅い褥瘡創面が暗褐色~黒褐色に変化してくる場合は深い褥瘡と判断する。

慢性期

褥瘡が発生してから2週間以降を慢性期と呼ぶ。

褥瘡の状態は様々であり、状態判定にはDESIGN分類を用いる。

こむこむ
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でざ…DESIGN?

DESIGN分類とは評価する項目の頭文字をとった表記で内容は以下の通り。

Depth:深さ

Exudate:滲出液

Size:大きさ

Inflammation/Infection:炎症/感染

Granulation tissue:肉芽組織

Necrotic tissue:壊死組織

※褥瘡にポケットが存在する場合はPocketのPをつける。

それぞれの項目の重症度を点数で評価する。軽い場合は小文字で示し、重い場合は大文字で示す。

分類表➡DESIGN評価表

ふみやさん
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治療にはまず、浅い褥瘡深い褥瘡かを判断した上で治療していくで

こむこむ
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それぞれで治療の仕方(ドレッシング剤や外用剤など)も異なってきます

褥瘡の評価

薬剤師は基本、触れることはないと思うが、一応。

予防について、褥瘡発生の危険性を予測する必要がある。そのリスクアセスメントにはブレーデンスケールやOHスケールを用いて、評価する。

ブレーデンスケール

知覚の認知、湿潤、活動性、可動性、栄養状態、摩擦の6つの項目で評価する。

詳しくはこちら➡ブレーデンスケール

点数は6~23点の範囲で点数が低いほど褥瘡が発生しやすくなる。 

OHスケール

自力体位変換、病的骨突出、浮腫、関節拘縮の4つの項目で評価する。

詳しくはこちら➡OHスケール

項目によって点数の重みが異なり、点数が高いほど褥瘡が発生しやすくなる。

 

褥瘡のケア

褥瘡のケアは予防が基本。”好発部位”の時でも触れたが、褥瘡は圧迫している状態が長時間続くと壊死する。なので、体位変換するのはとても重要になってくる。

体位変換

体位変換は

左側臥位 ⇔ 仰臥位 ⇔ 右側臥位 といった感じで2時間ごとに体位を変える。

ここで注意が必要なのが側臥位は90度ではなく30度が原則。30度は骨突出がなく最も広い面積をもつおしりのお肉で体重を受けることから推奨されている。30度を維持するためにクッション等を用いて維持する。

また体位を変えるときに患者の体動に制限があって、体位変換に協力できない場合は摩擦とずれの解消のために2人で行う服のしわや寝具のしわなども圧迫の原因にもなるので伸ばす。

こむこむ
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これ2時間おきだと夜中とか大変そう…

 

体圧分散用寝具の使用

今はこんなものがあるんですね(知らなさすぎる…)。

・圧切替型エアマットレス(各部位に圧力がかからない時間を作る)

・静止型マットレス(身体が沈み込むので、皮膚の接触面積を広げて圧が分散する)

スキンケア

皮膚の「摩擦とずれ」、「湿潤」。この2点には十分な注意が必要。それぞれのポイントを。

摩擦とずれ

・寝まきやシーツのしわでも皮膚に負担がかかるので伸ばす。体位変換は2人で行うのがベスト

・骨突出部に半透明フィルムなどの保護フィルムを貼り、摩擦から皮膚を守る。

・皮膚が乾燥すると皮膚が裂けやすくなるので、入浴後や清拭後に保湿剤を塗る。部屋の湿度は40%以下にならないように気を付ける。

骨突出部はマッサージは摩擦やずれを生じさせるので禁忌

湿潤

汗、尿、便は湿潤の原因となり、皮膚障害が起きやすくなる。

・高吸水性ポリマー入りの紙おむつ、それも身体にフィットしたパンツタイプを選択する。

・尿や便が付くところには撥水性クリームを使用する。

・排尿や排便後には肌に優しい石鹸を使い、ぬるま湯で肌をこすらないように洗う。タオルでふき取るときは皮膚に押し付けるように拭く。

 

褥瘡の治療

さぁ次は治療ですけども、それは次の記事でまとめます。


ふみやさん
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こむこむ
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