どうも、ふみやさんです。
あれ、これって2次除菌だっけ?抗生剤の量による違いは…?このパターンって保険適応だっけ?
…まとめていきます。
ピロリ除菌の組み合わせ(1次~3次)
消化性潰瘍ガイドラインでは以下のように推奨されている。
(PPI or ボノプラザン)+ アモキシシリン(AMPC) + クラリスロマイシン(CAM)
(PPI or ボノプラザン)+ AMPC + メトロニダゾール(MNZ)
PPI + シタフロキサシン(STFX) + (MNZ or AMPC)
一次除菌
商品名 | 内容 |
---|---|
ラベキュアパック400 (1日2回7日分) | パリエット錠10㎎ 1T サワシリン錠250㎎ 3T ×2回(朝、夕) クラリス錠200㎎ 1T |
ラベキュアパック800 (1日2回7日分) | パリエット錠10㎎ 1T サワシリン錠250㎎ 3T ×2回(朝、夕) クラリス錠200㎎ 2T |
ボノサップパック400 (1日2回7日分) | タケキャブ錠20㎎ 1T アモキシシリンcp250㎎ 3cp ×2回(朝、夕) クラリス錠200㎎ 1T |
ボノサップパック800 (1日2回7日分) | タケキャブ錠20㎎ 1T アモキシシリンcp250㎎ 3cp ×2回(朝、夕) クラリス錠200㎎ 2T |
- PPIよりボノプラザン投与のほうが除菌率が高かった報告
PPI群:除菌率約75%、ボノプラザン群:約92% - PPIをランソプラゾールで投与した報告で、クラリスロマイシンの量による除菌の成功率に差はないという報告があるが、喫煙している人に関してはクラリスロマイシンの量が多いほうが除菌率が高い報告がある。
二次除菌
商品名 | 内容 |
---|---|
ラベファインパック (1日2回7日分) | パリエット錠10㎎ 1T サワシリン錠250㎎ 3T ×2回(朝、夕) フラジール内服錠250㎎ 1T |
ボノピオンパック (1日2回7日分) | タケキャブ錠20㎎ 1T アモキシシリンcp250㎎ 3cp ×2回(朝、夕) フラジール内服錠250㎎ 1T |
- 現状ではPPIとボノプラザンの違いによる除菌率の差に有意差はない。
- フラジール内服錠の成分であるメトロニダゾールはアルコールの代謝を阻害するので、悪心・嘔吐・頭痛などの症状を起こしやすくなる。よってアルコールの摂取は避けるよう指導。
三次除菌
- 現状では推奨できるレジメンはないが、PPI + STFX +(MNZ or AMPC)の組み合わせをガイドラインでは提案している。またSTFX耐性を示すピロリ菌の場合はリファマイシン系抗菌薬のリファブチンを用いた除菌も視野に入れる。
保険適応について
日本では、ピロリ菌除菌療法が保険適用となるためには、保険適用条件を満たす必要がある。
保険適用条件には、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、または胃がんの既往歴があること、または病院で行われるピロリ菌の感染を確認する検査が陽性であることが必要。
現在保険適応になっているのは一次除菌及び二次除菌。三次除菌以降は保険適応ではないので注意。
また、除菌にはペニシリン系のアモキシシリンが用いられるが、ペニシリン系アレルギーを持っている方はアモキシリンを除いた除菌療法になるが、これも保険適応外となる。
アレルギーで保険適応されないのは個人的には、不憫に感じるなぁ
服薬指導
ピロリ菌除菌療法において、服薬指導は非常に重要。
治療の効果と服薬について説明する
ピロリ菌除菌は一次除菌で92%、二次除菌で98%と高い除菌率を示すので、しっかり7日間飲み切る必要があることを伝える。
副作用について説明する
ピロリ菌除菌療法に使用される薬剤には、吐き気、下痢、腹痛、口の渇き、頭痛などの副作用があります。これらの副作用が発現するようなら、まずは医師や薬剤師に相談して自己判断で服用を中止しないよう伝える。
治療期間中の注意点を説明する
治療期間中は、薬剤の適切な服用だけでなく、禁酒、禁煙などの生活習慣の改善が重要。また、ストレスや過度の飲酒、脂っこい食事、胃腸に刺激のある食品の摂取なども避けるよう指導。
再発防止のためのアドバイスをする
ピロリ菌は再発する可能性があるため、治療後に再発防止のためのアドバイスをすることも重要。そのために、栄養バランスの良い食事、喫煙や飲酒の控え、ストレスマネジメントなどについて、アドバイスをする。
除菌判定時の検査を受けるときの注意点を説明する
除菌判定はピロリ菌除菌の薬を終えてから、病院ごとにもよるが1~3か月後に判定を行う。その場合、検査方法も病院ごとで決められているが、尿素呼気試験の場合、除菌判定前にPPIを服用していると30~40%が偽陰性となる恐れがあるとの報告がある(PPIやボノプラザンはウレアーゼ活性に影響を与えうる可能性があるため。抗体検査などは関係ない)。除菌前と除菌後の感染診断をするときは2週間以上の休薬期間が必要。
ピロリ菌感染が長期間続くと、胃の粘膜が慢性的な炎症を起こし、それが胃潰瘍や胃がんにつながることがあるので、治療の有用性はしっかり説明していきたいですね。
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