どうも、ふみやさんです。
転職先の薬局でよく見るようになったので勉強を兼ねて…
基本情報
ザイティガ錠(アビラテロン)の基本情報 | |
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【成分名】 | アビラテロン酢酸エステル |
【構造式】 | |
【製品名】 |
先発品 |
【配合剤】 |
なし
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【分類】 |
前立腺癌治療剤(CYP17阻害剤)
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【効能】 | 去勢抵抗性前立腺癌 内分泌療法未治療のハイリスクの予後因子を有する前 立腺癌 |
【用法用量】 | プレドニゾロンとの併用において、 通常、成人には1日1回1,000mgを空腹時に経口投与する |
【禁忌】 | 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者 重度の肝機能障害患者(Child-PughスコアC) |
前立腺癌の治療薬ですね。前立腺癌の発生増悪の原因に男性ホルモンであるアンドロゲンが関係しているので、そのアンドロゲンの産生を抑えていきます。
作用機序
男性ホルモンであるアンドロゲンはコレステロールから合成され、ザイティガ錠(アビラテロン)はその過程で使用されるCYP17代謝酵素を阻害することでアンドロゲンの産生を抑制し、前立腺癌の進行を抑えます。
ただ、同時にコルチゾールというホルモンも産生を抑制され、それを感知した副腎が過剰な鉱質コルチコイドを産生してしまい、体液貯留・高血圧・低カリウム血症などの鉱質コルチコイド過剰症状を引き起こすことがあります。なので、その副作用防止のため、プレドニゾロンの併用が必須となります。
用法用量について
「プレドニゾロンとの併用において、通常、成人には1日1回1,000mgを空腹時に経口投与する」となっています。図式化するとこんな感じ。
食事にかなり影響する
ザイティガ錠は上図の通り、食事前後は服用しないこととなっています。
その理由として添付文書には
健康成人に本剤1,000mg注)を食後(低脂肪食又は高脂肪食)に単回経口投与したとき、絶食時投与と比較して、血漿中アビラテロンのCmax及びAUC∞は、それぞれ7倍及び5倍(低脂肪食)、17倍及び10倍(高脂肪食)増加した。
日本人及び外国人健康成人に本剤1,000mgを、食事1時間前(投与法B:投与4時間後に食事摂取)及び食事の2時間後(投与法C:投与2時間後に食事摂取、投与法D:投与4時間後に食事摂取)に単回経口投与したとき、空腹時投与(投与法A)と比較して、血漿中アビラテロンのCmax及びAUC∞は、それぞれ2及び1.6倍、12及び7.5倍、10及び7倍増加した。
ザイティガ錠250㎎ 添付文書
食事を摂取することでかなり血中濃度が上昇することが報告されています。
なので、必ず食事の前後は服用しないことを念には念を押して言っておかないといけないね。
必ずプレドニゾロンを併用する
用法には「プレドニゾロンとの併用において、通常、成人には1日1回1,000mgを空腹時に経口投与する」と記載があります。作用機序のところでも記載しましたが、鉱質コルチコイド過剰症状防止のため併用して治療します。
用法によって、プレドニゾロンを投与する量も変わりますので、注意が必要です。
去勢抵抗性前立腺癌の場合 | 内分泌療法未治療のハイリスクの 予後因子を有する前立腺癌の場合 |
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プレドニゾロン5mgを1日2回 (1日総量10mg) | プレドニゾロン5mgを1日1回 (1日総量5mg) |
プレドニゾロンの用法と投与量が違うから注意よね
注意すべき副作用
クスリにはリスクがつきもの。安全に使用していくためには各副作用の初期症状には注意を払っていきたい。
低カリウム血症
これは鉱質コルチコイド過剰症状の一部でもあります。低カリウムの症状としては筋力低下(ベッドから起き上がれないなど)、痙攣、全身倦怠感などがあります。
こういった症状が現れた際はすぐに医師の診察を受けるようにしましょう。最低でも月1回はカリウム濃度を測るよう、推奨されています。
低カリウム血症を引き起こしやすくする薬剤についても注意しておいたほうが良いね。ループ利尿薬や漢方薬でよく入っている甘草だったり…。
高血圧
これも鉱質コルチコイド過剰症状の一部でもあります。ザイティガ錠を投与する前の血圧より数値が上昇しているようであれば、Ca拮抗薬などの降圧剤や鉱質コルチコイド受容体阻害薬でもあるエプレレノンの投与、またプレドニゾロンの増量なども考慮されます。
ここで注意なのがエプレレノン(セララ)とカリウム製剤が禁忌ってところ。禁忌な理由はカリウム値が上昇しすぎるのを防ぐためだけど、そもそも低カリウムを補うために短期的に投与することもあって、必ず併用禁忌というわけでもないから難しいよね。
一応疑義照会しておかないと、個別指導で引っかかる場合もあるから聞いておきたい…けど、まずは患者さんの話を聞いてみるのがベストかなぁ。処方箋にコメントがあれば嬉しいんだけどなぁ(願望)。
体液貯留(むくみ)
これも鉱質コルチコイド過剰症状の一部でもあります。体液貯留は月1回の体重測定や眼瞼や足首のむくみのチェックをするよう指導していきます。
むくみは見た目や触ったりなどして分かる症状です。違和感があれば医師に相談するようにしましょう。
高血糖
これはザイティガ錠の副作用ではなく、併用するプレドニゾロンの副作用になります。
ステロイド(プレドニゾロン等)の内服は血糖値を上昇する作用もあるため、空腹時血糖値200mg/dLを超える、又はHbA1c が7.0%を超える場合、糖尿病の可能性を考慮し、専門医へ相談する必要があります。
患者への指導について
用法用量(空腹時)のことや副作用の初期症状は伝えておくのはもちろんのこと、併用するプレドニゾロンの飲み方についても指導しておかないといけません。
プレドニゾロンは投与を急にやめると、ステロイド離脱症状を起こすことがあります。ステロイド離脱症状は倦怠感や精神症状、低血糖症状など様々な症状が現れることがあります。
通常、ステロイドを中止する際には離脱症状を防ぐため、徐々に量を減らしていく必要があります。なのでザイティガ錠の投与の中止などに伴い、プレドニゾロンが中止されていたり、自己判断でプレドニゾロンの内服を中止するのは防いでいく必要があります。
途中でやめないようにしっかり言っておかないとね。ザイティガ® 投与中チェックシート ザイティガ® 投与中チェックシート (expydoc.com)も活用していきたいです。
その他
ザイティガ錠によく似た名前のお薬との処方入力ミスや取り違えなど発生したことで厚労省から注意喚起のお知らせもあります。そう、その名もザルティア錠です。
https://www.pmda.go.jp/files/000220343.pdf
よく似た名前でも作用は別物。注意していかないとね。
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