市販薬シリーズ。
今回は薬局で購入できる口唇ヘルペスの薬についての違いを簡単に見ていこうかなと思います。
購入できる条件
口唇ヘルペスの市販薬を購入する際にはいろいろ条件があるので最初に。
口唇ヘルペスの薬は第1類医薬品(2020.4.8時点)であり、薬局で購入できます。その際、薬剤師との対面販売になります。
まず第1条件として
口唇ヘルペスの再発
これがまず第1条件になってきます。過去に口唇ヘルペスと診断されてる必要があるんですよね。
他にもチェックシートの項目で
①こういう症状は初めてか?
②患部が広い範囲か?
③水泡(水ぶくれ)が大きい(小豆大)か?
④頭痛があるか?
⑤疼痛があるか?
⑥アシクロビルorバラシクロビル製剤でアレルギーを起こしたことがあるか?
⑦6歳未満の小児か?
⑧患部が唇とその周り以外にもあるか?
これに一つでも当てはまっていたら販売できません。
それぞれの理由としては
①:初めての場合、重症化もしくは口唇ヘルペスでない可能性があるため
②~⑤:症状が重度であったり、さらに重症化する恐れがあるため
⑥:アレルギーを起こす可能性があるため
⑦:乳幼児の場合、初めて感染した可能性が高いと考えられるため
⑧:市販の薬の効能は口唇ヘルペスのみ
です。
これらが一つも当てはまっていなかったら購入できます。
次は薬の種類と特徴ですね。
アシクロビル製剤
アクチビア軟膏
グラクソ・スミスクライン株式会社が販売。
製品1g中にアシクロビル50mg含有。
使用方法:1日3~5回患部に塗布。
添加物にマクロゴールを含む軟膏タイプ。
・患部を保護
・かさぶたに潤いを与える
・皮膚をなめらかにする
などの作用によってひび割れを防ぎ、肌への負担を軽減します。
しっかり保護したい人は軟膏のほうがいいかな。
ヘルペシアクリーム
大正製薬から販売。
製品1g中にアシクロビル50mg含有。
使用方法:1日3~5回患部に塗布。
クリームタイプとなっておりアクチビア軟膏との違いは軟膏かクリームの違いだけ。
ビダラビン製剤
アラセナS&アラセナSクリーム
佐藤製薬から販売。
製品1g中にビダラビン30mg含有。
使用方法:1日1~4回患部に塗布。
アラセナSが軟膏タイプ、アラセナSクリームがクリームタイプ。
値段は若干アシクロビル製剤より高めに見えるが塗る回数がビダラビン製剤のほうが少ないのでこっちのほうが得かも。
アシクロビルとビダラビンの違い
作用機序
アシクロビル:感染細胞内でアシクロビル3リン酸(活性型)になり、その構造がデオキシグアノシン3リン酸と似ていることから、ウイルスDNAを複製する際に用いるDNAポリメラーゼを阻害することでウイルスの増殖を抑える。
ビダラビン:アシクロビルと同じくDNAポリメラーゼの阻害に加えて
・リボヌクレオチドレダクターゼの阻害することでDNAの材料となるヌクレオチドの生成抑制
・S-アデノシルーL-ホモシステイン水解酵素(SAH)を阻害することでカプシドなどのウイルスを包むのに必要なタンパク質の生成を抑制
とまぁ長ったらしく書いたが要は
ビダラビンのほうが阻害するところが多いということである。
となるとビダラビンのほうが効果が良いのか?というと
そういうわけではなくアシクロビルとビダラビンの口唇ヘルペスに対する効果は同等と言われてます。
軟膏とクリームの使い分け
・軟膏は刺激が少なく患部を保護する働きが強い
・クリームはべとつかず塗ったところが目立ちにくい
というメリットがある。
軟膏は
・しっかり保護して治したい方
・肌が敏感な方に
クリームは
・メイクをする方
・塗布部分のてかりが気になる方
・人と接するのが職業の方
に向いている。
また口唇ヘルペスの症状によって使い分ける場合は
①ピリピリ、チクチク➡②赤みや発疹ができる➡③水ぶくれや痛み➡④かさぶたができる
と進行していく過程で
①と②の前半はクリーム、②の後半と③は軟膏を使うのがオススメです。
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