在宅患者緊急時等共同指導料

在宅患者緊急時等共同指導料

令和4年度調剤報酬改定

在宅患者緊急時等共同指導料

  • 在宅患者緊急時等共同指導料 → 700点

注1 訪問薬剤管理指導を実施している保険薬局の保険薬剤師が、在宅での療養を行っている患者であって通院が困難なものの状態の急変等に伴い、当該患者の在宅療養を担う保険医療機関の保険医又は当該保険医療機関と連携する他の保険医療機関の保険医の求めにより、当該保険医療機関の保険医等、歯科訪問診療を実施している保険医療機関の保険医である歯科医師等、訪問看護ステーションの保健師、助産師、看護師、理学療法士、作業療法士若しくは言語聴覚士、介護支援専門員又は相談支援専門員と共同でカンファレンスに参加し、それらの者と共同で療養上必要な指導を行った場合に、月2回に限り算定する。

注7 保険薬局の所在地と患家の所在地との距離が16キロメートルを超えた場合にあっては、特殊の事情があった場合を除き算定できない。

注8 在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料は、別に算定できない。

(1) 在宅患者緊急時等共同指導料は、在宅での療養を行っている患者の状態の急変や診療方針の変更等の際、当該患者に対する診療等を行う医療関係職種等(居宅介護支援事業者の介護支援専門員を含む。以下同じ。)が一堂に会す等によりカンファレンスを行うことで、より適切な治療方針を立てることが可能となるとともに、カンファレンスの参加者の間で診療方針の変更等の情報を的確に共有することができ、患者及び家族が安心して療養生活を送ることに資することから、そのような取組を評価するものである。

(2) 在宅患者緊急時等共同指導料は、訪問薬剤管理指導を実施している保険薬局の保険薬剤師が、在宅での療養を行っている患者であって通院が困難なものの病状の急変や、診療方針の大幅な変更等の必要が生じたことに伴い、当該患者の在宅療養を担う保険医療機関の保険医又は当該保険医療機関と連携する他の保険医療機関の保険医の求めにより、関係する医療関係職種等と共同でカンファレンスを行うとともに、共有した当該患者の診療情報及び当該カンファレンスの結果を踏まえ、計画的な訪問薬剤管理指導の内容に加えて、患家を訪問した上で患者に対し療養上必要な薬学的管理指導を行った場合に、月2回に限り算定する。なお、当該カンファレンスを行った日と異なる日に当該薬学的管理指導を行った場合でも算定できるが、当該カンファレンスを行った日以降速やかに薬学的管理指導を行うものであること。また、カンファレンス及びそれに基づく薬学的管理指導1回につき1回に限り算定するものであること。

(3) (1)及び(2)については、在宅療養を担う保険医療機関の保険医と連携する他の保険医の求めにより、患家を訪問して必要な薬学的管理指導を行った場合は、当該保険医に加え、当該患者の在宅療養を担う保険医療機関の保険医にも必要な情報提供を文書で行うこと。また、在宅療養を担う保険医療機関の保険医と連携する他の保険医については、担当医に確認し、薬学的管理指導計画書等に当該医師の氏名と医療機関名を記載すること。

(4) 当該カンファレンスは、保険薬局の保険薬剤師が、ビデオ通話が可能な機器を用いて参加することができる。ただし、当該患者に対する診療等を行う医療関係職種等の1者以上は、患家に赴きカンファレンスを行っていること。

  • ア 当該カンファレンスに当該患者に対する診療等を行う医療関係職種等の3者以上が参加すること
  • イ 当該3者のうち2者以上は、患家に赴きカンファレンスを行っていること

(4) 更に、保険薬局が、「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(令和2 年3月5日保医発0305 第2号)の別添3の別紙2に掲げる医療を提供しているが医療資源の少ない地域に属する場合には、以下のアからウまでを満たすときに限り、ビデオ通話を用いて参加した場合でも算定可能である。

  • ア 当該カンファレンスを当該月に2回実施する場合の2回目のカンファレンスであること
  • イ 当該2回目のカンファレンスに当該患者に対する診療等を行う医療関係職種等の3者以上が参加すること
  • ウ 1者以上は、患家に赴きカンファレンスを行っていること

(5) (4)において、患者の個人情報を当該ビデオ通話の画面上で共有する際は、患者の同意を得ていること。また、保険医療機関の電子カルテなどを含む医療情報システムと共通のネットワーク上の端末においてカンファレンスを実施する場合には、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に対応していること。

(6) 在宅患者緊急時等共同指導料を算定するためには、薬剤服用歴等に「区分10の2 服薬管理指導料」の1の(6)の記載事項に加えて、少なくとも次の事項について記載されていなければならない。

  • ア カンファレンス及び薬学的管理指導の実施日、薬学的管理指導を行った薬剤師の氏名並びにカンファレンスに参加した医療関係職種等の氏名
  • イ 当該患者の在宅療養を担う保険医療機関の保険医又は当該保険医と連携する他の保険医から要請があって患家を訪問し、他の医療関係職種等と共同してカンファレンスを行い、その結果を踏まえて薬学的管理指導を実施した旨及びその理由
  • ウ カンファレンスの要点及びカンファレンスの結果を踏まえて実施した薬学的管理指導の内容(服薬状況、副作用、相互作用等に関する確認等を含む。)
  • エ 保険医に対して提供した訪問結果に関する情報の要点

(7) 在宅患者緊急時等共同指導料を算定する場合は、「区分番号15」の在宅患者訪問薬剤管理指導料は別に算定できない。また、情報通信機器を用いて療養上必要な薬学的管理指導を行った場合は、在宅患者オンライン薬剤管理指導料を算定し、在宅患者緊急時等共同指導料は算定できない。

(13) 保険薬局の所在地と患家の所在地との距離が16キロメートルを超える訪問薬剤管理指導については、患家の所在地から16キロメートルの圏域の内側に、在宅患者訪問薬剤管理指導を行う旨を届け出ている薬局が存在しないなど、当該保険薬局からの訪問薬剤管理指導を必要とする特殊な事情がある場合に認められるものであって、この場合の在宅患者緊急時等共同指導料の算定については16キロメートル以内の場合と同様、本区分及び「注2」により算定する。特殊な事情もなく、特に患家の希望により16キロメートルを超えて療養上必要な指導を行った場合の在宅患者緊急時等共同指導料は保険診療としては認められないことから、患者負担とする。

この場合において、「保険薬局の所在地と患家の所在地との距離が16キロメートルを超えた場合」とは、患家を中心とする半径16キロメートルの圏域の外側に当該保険薬局が所在する場合をいう。
ただし、平成24年3月31日以前に在宅患者訪問薬剤管理指導料の「注1」に規定する医師の指示があった患者については、当該規定は適用しないものであること。

各種加算

  • 麻薬管理指導加算 → 100点

注2 麻薬の投薬が行われている患者に対して、麻薬の使用に関し、その服用及び保管の状注2 麻薬の投薬が行われている患者に対して、麻薬の使用に関し、その服用及び保管の状況、副作用の有無等について患者に確認し、必要な薬学的管理及び指導を行った場合は、1回につき所定点数に100点を加算する。

ア 麻薬管理指導加算は、麻薬の投薬が行われている患者に対して、定期的に、投与される麻薬の服用状況、残薬の状況及び保管状況について確認し、残薬の適切な取扱方法も含めた保管取扱い上の注意等に関し必要な指導を行うとともに、麻薬による鎮痛効果や患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無の確認を行い、処方箋発行医に対して必要な情報提供を行った場合に算定する。ただし、在宅患者オンライン薬剤管 理指導料を算定する場合は、処方箋受付1回につき22 点を所定点数に加算する。

イ 麻薬管理指導加算は在宅患者訪問薬剤管理指導料又は在宅患者オンライン薬剤管理指導料が算定されていない場合は算定できない。

ウ 麻薬管理指導加算を算定するためには、薬剤服用歴等に「区分10の2 服薬管理指導料」の1の(6)及び「区分15 在宅患者訪問薬剤管理指導料」の1の(10)の記載事項に加えて、少なくとも次の事項について記載されていなければならない。

  • (イ) 訪問に際して実施した麻薬に係る薬学的管理指導の内容(麻薬の保管管理状況、服薬状況、残薬の状況、麻薬注射剤等の併用薬剤、疼痛緩和の状況、麻薬の継続又は増量投与による患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無などの確認等)
  • (ロ) 訪問に際して行った患者・家族への指導の要点(麻薬に係る服薬指導、残薬の適切な取扱方法も含めた保管管理の指導等)
  • (ハ) 処方医に対して提供した訪問結果に関する情報(麻薬の服薬状況、疼痛緩和及び患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の状況、服薬指導の要点等に関する事項を含む。)の要点
  • (ニ) 患者又は家族から返納された麻薬の廃棄に関する事項(都道府県知事に届け出た麻薬廃棄届の写しを薬剤服用歴等に添付することで差し支えない。)
  • 在宅患者医療用麻薬持続持続注射療法加算 → 250点

注3 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局において、在宅で医療用麻薬持続注射療法を行っている患者に対して、その投与及び保管の状況、副作用の有無等について患者又はその家族等に確認し、必要な薬学的管理及び指導を行った場合は、在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算として、1回につき250点を所定点数に加算する。この場合において、注2(麻薬管理指導加算)に規定する加算は算定できない。

ア 在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算は、在宅において医療用麻薬持続注射療法を行っている患者又はその家族等に対して、患家を訪問し、麻薬の投与状況、残液の状況及び保管状況について確認し、残液の適切な取扱方法も含めた保管取扱い上の注意等に関し必要な指導を行うとともに、麻薬による鎮痛等の効果や患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無を確認し、薬学的管理及び指導を行い、処方医に対して必要な情報提供を行った場合に算定する。

イ 当該患者が麻薬の投与に使用している高度管理医療機器について、保健衛生上の危害の発生の防止に必要な措置を講ずること。

ウ 必要に応じて、処方医以外の医療関係職種に対しても、麻薬の投与状況、残液の状況、保管状況、残液の適切な取扱方法も含めた保管取扱い上の注意等について情報提供すること。

エ 在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算は、在宅患者訪問薬剤管理指導料が算定されていない場合は算定できない。

オ 在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算を算定するためには、薬剤服用歴等に「区分10の2 調剤管理料」の1の(6)及び「区分15 在宅患者訪問薬剤管理指導料」の1の(10)の記載事項に加えて、少なくとも次の事項について記載されていなければならない。

  • (イ) 訪問に際して実施した麻薬に係る薬学的管理指導の内容(麻薬の保管管理状況、投与状況、残液の状況、併用薬剤、疼痛緩和等の状況、麻薬の継続又は増量投与による患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無などの確認等)
  • (ロ) 訪問に際して行った患者又はその家族等への指導の要点(麻薬に係る服薬指導、残液の適切な取扱方法も含めた保管管理の指導等)
  • (ハ) 処方医に対して提供した訪問結果に関する情報(麻薬の投与状況、疼痛緩和及び患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)等の状況、服薬指導の要点等に関する事項を含む。)の要点
  • (ニ) 患者又はその家族等から返納された麻薬の廃棄に関する事項(都道府県知事に届け出た麻薬廃棄届の写しを薬剤服用歴等に添付することで差し支えない。)

カ 在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算については、麻薬管理指導加算を算定している患者については算定できない。

(1)麻薬及び向精神薬取締法第三条の規定による麻薬小売業者の免許を受けていること。

(2)医薬品医療機器等法第三十九条第一項の規定による高度管理医療機器の販売業の許可を受けていること。

在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算の施設基準に係る届出は、別添2の様式89 を用いること。

在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算について、在宅患者訪問薬剤管理指導料と同様に、処方箋受付がない場合であっても算定可能か。

(答)算定可。在宅患者中心静脈栄養法加算についても同様である。

「在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算については、麻薬管理指導加算を算定している患者については算定できない」とあるが、これらの加算は併算定不可ということか。

(答)そのとおり。なお、麻薬管理指導加算を算定する日以外の日に在宅患者訪問薬剤管理指導料等を算定し、要件を満たせば、在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算を算定できる。

  • 乳幼児加算 → 100点

注4 在宅で療養を行っている6歳未満の乳幼児であって、通院が困難なものに対して、患家を訪問して、直接患者又はその家族等に対して薬学的管理及び指導を行った場合は、乳幼児加算として、1回につき100点を所定点数に加算する。

  • 小児特定加算 → 450点(オンラインは350点)

注5 児童福祉法第56条の6第2項に規定する障害児である患者又はその家族等に対して、必要な薬学的管理及び指導を行った場合は、小児特定加算として、1回につき450点を所定点数に加算する。この場合において、注4(乳幼児加算)に規定する加算は算定できない。

(1) 小児特定加算は、児童福祉法(昭和22 年法律第164 号)第56 条の6第2項に規定する障害児である18 歳未満の患者に係る調剤において、患者又はその家族等に患者の服薬状況等を確認した上で、当該患者又はその家族等に対し、当該患者の状態に合わせた必要な薬学的管理及び指導を行った場合に算定する。

(2) 小児特定加算は、次に掲げる薬学的管理及び指導を行った場合に算定する。

  • ア 患者の服薬状況及び服薬管理を行う際の希望等について、患者又はその家族等から聞き取り、当該患者の薬学的管理に必要な情報を収集する。
  • イ アにおいて収集した情報を踏まえ、薬学的知見に基づき調剤方法を検討し調剤を行うとともに、服用上の注意点や適切な服用方法等について服薬指導を行う。

(3) 小児特定加算を算定した処方箋中の薬剤の服用期間中に、患者の家族等から電話等により当該処方薬剤に係る問い合わせがあった場合には、適切な対応及び指導等を行うこと。

(4) 確認内容及び指導の要点について、薬剤服用歴等及び手帳に記載する。

(5) 当該加算は乳幼児服薬指導加算と併算定することはできない。

小児特定加算は、児童福祉法第56 条の6第2項に規定する障害児である18 歳未満の患者に係る薬学的管理指導の際に、服薬状況等を確認した上で、患家を訪問し、患者又はその家族等に対し、当該患者の状態に合わせた必要な薬学的管理及び指導を行った場合に算定する。ただし、在宅患者オンライン薬剤管理指導料を算定する場合は、処方箋受付1回につき350 点を所定点数に加算する。また、乳幼児加算を併算定することはできない。

小児特定加算の対象患者について、「児童福祉法第 56 条の6第2項に規定する障害児である患者」であることは、どのように確認するのか。

(答)国や地方自治体が発行する手帳の確認、処方医への問合せ等の適切な方法により確認すること。なお、確認できない場合は、当該加算は算定できない。

  • 在宅中心静脈栄養法加算 → 150点

注6 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局において、在宅中心静脈栄養法を行っている患者に対して、その投与及び保管の状況、配合変化の有無について確認し、必要な薬学的管理及び指導を行った場合は、在宅中心静脈栄養法加算として、1回につき150点を所定点数に加算する。

ア 在宅中心静脈栄養法加算は、在宅中心静脈栄養法を行っている患者に係る薬学的管理指導の際に、患家を訪問し、患者の状態、投与環境その他必要な事項等の確認を行った上で、患者又はその家族等に対して保管方法、配合変化防止に係る対応方法等の必要な薬学的管理指導を行い、処方医に対して必要な情報提供を行った場合に算定する。

イ 当該患者に対し2種以上の注射薬が同時に投与される場合には、中心静脈栄養法に使用する薬剤の配合変化を回避するために、必要に応じて、処方医以外の医療関係職種に対しても、当該患者が使用する注射剤に係る配合変化に関する留意点、輸液バッグの遮光の必要性等について情報提供する。

ウ 在宅中心静脈栄養法加算は、在宅患者訪問薬剤管理指導料が算定されていない場合は算定できない。

エ 在宅中心静脈栄養法加算を算定するためには、薬剤服用歴等に「区分10の2 調剤管理料」の1の(6)及び「区分15 在宅患者訪問薬剤管理指導料」の1の(10)の記載事項に加えて、少なくとも次の事項について記載されていなければならない。

  • (イ) 訪問に際して実施した在宅患者中心静脈栄養法に係る薬学的管理指導の内容(輸液製剤の投与状況、保管管理状況、残薬の状況、栄養状態等の状況、輸液製剤による患者の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無、薬剤の配合変化の有無などの確認等)
  • (ロ) 訪問に際して行った患者・家族への指導の要点(輸液製剤に係る服薬指導、適切な保管方法の指導等)
  • (ハ) 処方医及び関係する医療関係職種に対して提供した訪問結果、輸液製剤の保管管理に関する情報(輸液製剤の投与状況、栄養状態及び患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)等の状況、服薬指導の要点等に関する事項を含む。)の要点

(1) 医薬品医療機器等法第39 条第1項の規定による高度管理医療機器の販売業の許可を受けている又は同法第39 条の3第1項の規定による管理医療機器の販売業の届出を行っていること。

在宅中心静脈静脈栄養法加算の施設基準に係る届出は、別添2の様式89 を用いること。

在宅中心静脈栄養法加算について、薬剤調製料の無菌製剤処理加算(中心静脈栄養法用輸液)との併算定は可能か。また、在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算との併算定は可能か。

(答)いずれも併算定可。

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